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一般常識

「煩い」「五月蝿い」「五月蠅い」の意味と違い

「煩い」「五月蝿い」「五月蠅い」の意味と違い

「煩い」「五月蝿い」「五月蠅い」の意味と違いとは

1つの言葉に複数の漢字表記が存在するというケースは、日本語ではそれほど珍しくありません。「うるさい」という言葉もまた、「煩い」「五月蝿い」「五月蠅い」という3つの表記が見られます。これらはそれぞれ、どのような意味やニュアンスを持つのでしょうか。また、それぞれ使い分けができるかどうかも知りたいところです。

そこで今回は、「煩い」「五月蝿い」「五月蠅い」の意味と違いなどについて解説したいと思います。

「煩い」とは

煩い

「煩い」とは、「音が大きくてじゃまである」といった意味の言葉です。周囲の何らかの音が大きすぎて、集中できないさまや不快になるさまを言います。「やかましい」と同じ意味の言葉です。「隣室のテレビの音が煩い」のように使われます。

「煩い」はまた、「しつこくてやりきれない」「口やかましい」「わずらわしい」などの意味もあります。それぞれ、「煩くつきまとうのはやめろ」「親父の小言が煩い」「煩い問題が山積みだ」のように使われます。

「煩い」の「煩」という字は、「悩みで熱が出て頭痛がするさま」を表しており、「わずらう」「思いなやむ」などの意味があります。ちなみに「煩」を「うるさい」と読むのは、常用漢字表外の読みです。そのため、公文書などでは使えません。

「五月蝿い」などとの違いや使い分け方については、以下で見てみましょう。

「五月蝿い」とは

五月蝿い

「五月蝿い」の意味は、「煩い」と違いはありません。やはり、「音が大きくてじゃまである」や「しつこくてやりきれない」などを表しています。使い方にも違いはなく、「近所の工場の音が五月蝿くてたまらない」「あれこれ五月蝿く言うのはやめてくれ」などのようになります。

「五月蝿い」の「五月蝿」という字は、万葉集などで使われた「五月蝿(さばえ)」に由来しています。「五月蝿」もまた、「不快な音などにいらいらする様子」を指す言葉ですが、明治期に夏目漱石などが「うるさい」の当て字として使用してから、一般でも使われる表記となりました。

「煩い」との違いは、上記のように基本的にはありませんが、「煩い」は比較的「面倒だ」というニュアンスが強く、「五月蝿い」は「不快で鬱陶しい」といったニュアンスが強いという点は、両者の使い分けのポイントとなります。

「五月蠅い」とは

五月蠅い

「五月蠅い」もまた、「煩い」や「五月蝿い」と意味の違いはありません。やはり、「音が大きくてじゃまなさま」や「鬱陶しい」などの意味を持ちます。

「五月蝿い」とは、「蠅」と「蝿」の字が異なりますが、これらはどちらも「ハエ」を意味しており、全体としての意味やニュアンスは変わりません。表記としては「蠅」の方が正式で、「蝿」は本来のものではない「俗字」に当たります。

ただし、常用漢字にはどちらも含まれません。また、どちらも当て字であることから、公文書などでは使えないようになっています。