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一般常識

「運送」「運搬」「配送」の意味と違い

「運送」「運搬」「配送」の意味と違い

「運送」「運搬」「配送」の意味と違い

普段は何気なく同じような意味合いとして受け取っている言葉も、突き詰めてみると違いが見えてくることがよくあります。「運送」「運搬」「配送」の3語も、一見同じ行為を指すように見えて、実は物流用語としては異なる意味合いを持っています。では、一体この3つの言葉は、具体的にどのように区別されるのでしょうか。使い分けのポイントが気になる方も多いでしょう。

今回は、「運送」「運搬」「配送」の意味や違いについて、詳しく解説していきたいと思います。

「運送」とは

運送

「運送(うんそう)」とは、「物品を運び送ること」を意味する言葉です。人や物を、目的の場所まで運んでいくことを言います。「被災地へ救援物資を運送する」「荷物を運送するのにトラックが必要だ」「彼は今運送会社を経営している」のように使われます。

「運送」の「運」は「行く」と「戦車」の象形から成り、「はこぶ」「めぐらす」を意味します。ほかに「運輸」「運行」などの熟語で使われます。

「運送」と「運搬」は通常同じような意味を表しますが、物流用語としては使い分けられています。物流における「運送」は、「車両を手段として使う輸送」を指します。つまり、トラックやバンなどで物品を運ぶことが「運送」で、運ぶ手段が車両以外であったり、手段を問わない場合は「運送」とは呼びません。この点は、運ぶ手段を特定しない「運搬」との違いになります。

「運搬」とは

運搬

「運搬(うんぱん)」とは、「物品を運び移すこと」を意味する言葉です。人や品物を、ある場所から他の場所へ運ぶことを指します。「食料を運搬する」「荷物の運搬を手伝う」「運搬手段を確保する」などのように使われます。

「運搬」の「搬」という字は、「大きな舟を動かす」などを表す象形から成り、「はこぶ」「うつす」などを意味します。ほかに「搬出」「搬入」などの熟語で使われます。

「運搬」と「運送」は、上記のように物流用語としては明確な違いがあります。車を用いた輸送を指す「運送」に対し、「運搬」は単に「物を移動させること」を指すだけで、手段については問題としません。ですので、飛行機や船で物を運ぶことは「運搬」と呼べますが、「運送」にはあたらないということになります。

「配送」とは

配送

「配送(はいそう)」とは、「配達と配送」「配り送ること」を意味する言葉です。「時間指定の荷物を配送する」「トラックで配送ルートを回る」「送る物のサイズに合わせた配送方法を選ぶ」などのように使われます。

「配送」の「配」という字は、「人が酒器を並べる」象形から成り、「ならべる」「くばる」などの意味を表します。「配達」「配布」などの熟語でも使われます。

一方、物流における「配送」は、もう少し具体的に定義されます。物流での「配送」は、いわゆる「二次輸送(拠点に届いた生産物を、小売店や消費者に届ける輸送)」を指しています。近距離の小口輸送が主体なので、軽トラックなどの車両が手段として使われます。この点では「運送」と同じですが、輸送の手段ではなく段階に焦点を当てている点が違いになります。

「運搬」との違いについても、単なる物の移動ではなく、特に二次輸送を指すという具体性に求められます。

「運送」「運搬」「配送」の意味と違い

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