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9種類の括弧の読み方と使い分け方、順番
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9種類の括弧の読み方と使い分け方、順番
文章や数式を書く際に必要な記号類はたくさんありますが、とりわけ括弧(かっこ)は重要な存在です。さまざまな括弧をうまく使い分けることは、文章を分かりやすくする上で欠かせません。
しかし、括弧には数多くの種類があり、使い分けに迷うことも多くなっています。
そこでここでは、「」や『』などの括弧の使い方や読み方、使う際の順番などについてそれぞれ解説していきます。
「 」:鉤括弧
読み方:鉤括弧(かぎかっこ)
「」は「鉤括弧」と表記し読み方は「かぎかっこ」になります。
鉤とは、物をひっかけるための先が曲がった金属器具のことで、形が似ているためにこう呼ばれています。
鉤括弧は文章中において、主に会話部分を表す目的で使われます。具体的には、「おはよう」や「ありがとう」などといった使い方です。他にも、引用やタイトル・作品名を示す時に使われるなど、かなり使用頻度の高い括弧となっています。
順番については特に決まりはありませんが、後述するように二重鉤括弧と一緒に使う場合は、鉤括弧を外側に表記するのが通常です。
『 』:二重鉤括弧
読み方:二重鉤括弧(にじゅうかぎかっこ)
『』は、「二重鉤括弧」と表記し読み方は「にじゅうかぎかっこ」です。
上記の鉤括弧が2つに重なっている形から、そう呼ばれています。
二重鉤括弧は、文中で強調したい箇所や、書籍や曲、映画などのタイトルを表記したい時などに使われる括弧です。『失われた時を求めて』や『風と共に去りぬ』といった具合です。
また、会話の中で別の人の言葉を表す時にも使われます。この場合の使い方は、「あの人が『それは彼の思い違いだ』と言っていた」のように、鉤括弧の中で使われるという順番になります。鉤括弧と並び、比較的使われる頻度の高い括弧となっています。
【 】:隅付き括弧・墨付き括弧
読み方:隅付き括弧(すみつきかっこ)・墨付き括弧・隅付きパーレン・太亀甲(ふときっこう)・黒亀甲(くろきっこう)
【】の漢字表記は「隅付き括弧」です。読み方は、「すみつきかっこ」になります。
「墨付き括弧」や「隅付きパーレン」、また「太亀甲(ふときっこう)」や「黒亀甲(くろきっこう)」などと呼ばれることもあります。
やはり中の語句を強調したり、本や見出しなどのタイトルを表すといった使い方をされます。鉤括弧や二重鉤括弧とは違い、文章中で使われるよりも、記事の見出しなどで使われることが多くなっています。また、漢和辞典において教育漢字を表す目的でも使われることがあります。
順番について特に決まりはなく、単独で使われることが一般的です。
( ):丸括弧
読み方:丸括弧(まるかっこ)・パーレン
()は漢字では「丸括弧」と表記し、読み方は、「まるかっこ」になります。また「パーレン」と呼ばれることもあります。
使い方は、漢字や英語の読みを表記したり、補足や注記など、ある内容についての解説を入れるといったものになります。また、番号を括る目的でもよく使われる括弧です。
使われる順番については、特に決まってはいません。
一方、数式で使われる場合には、日本では「小括弧」という名前で、大括弧([ ])と中括弧({ })に続いて一番最後(内側)に使われるようになっています。
ただし、後ほど詳しく説明するように、「小括弧」という呼び方は適切でないとの考えから、現在は「丸括弧」の呼称が一般的に用いられるようになっています。
〔 〕:亀甲括弧・亀の子括弧
読み方:亀甲括弧(きっこうかっこ)・亀の子括弧(かめのこかっこ)
〔 〕は「亀甲括弧」と呼ばれる括弧です。読み方は、「きっこうかっこ」になります。
亀甲(亀の甲羅の模様)に似ていることからこの名がつきました。「亀の子括弧(かめのこかっこ)」と呼ばれる場合もあります。
亀甲括弧は、縦組みの文章においてよく使われる括弧です。主な使い方としては、強調や引用の補足といったものが中心となっています。引用の補足とは、具体的には「〔著者は〕失敗作だとみなしていた」のようなた使い方です。
鉤括弧や二重鉤括弧などに比べ、使用頻度はそれほど多くありません。使われる順番は、鉤括弧や丸括弧の中で使われるか、あるいは単独で使われるようになっています。
{ }:波括弧
読み方:波括弧(なみかっこ)
{ }の漢字による表記は、「波括弧」になり、読み方は「なみかっこ」です。
波のような突起が付いていることから、こう呼ばれています。英語では「ブレイス(brace)」「カーリーブラケット(curly bracket)」などとも呼ばれます。
組版の和文本文組みにおいては、それほど使用頻度は高くありません。主な使い方としては、見出しのアクセントや強調などの用途がほとんどです。波括弧はまた、「中括弧」として数式で使われる場合もあります。この場合日本においては、大括弧に続いて2番目、中に小括弧(丸括弧)を入れる形で使われるようになっています。
しかし、世界的に見るとこうした順番はまれで、むしろ1番目に使われることがほとんどです。そのため、現在では「中括弧」という呼び方よりも、「波括弧」の方が望ましいとされています。
[ ]:角括弧
読み方:角括弧(かくかっこ)
[ ]は、漢字では「角括弧」と表記される括弧です。読み方は、「かくかっこ」になります。英語では「ブラケット(bracket)」とも呼ばれます。
文章中における使い方は、亀甲括弧同様、引用の補足や注記を表すようになっています。書体には半角と全角がありますが、和文本文組みにおいては、全角を使うのが一般的です。
「角括弧」の他に「大括弧」とも呼ばれますが、これは数式において使う場合になります。
日本では、前述のように「大括弧(角括弧)」、「中括弧(波括弧)」、「小括弧(丸括弧)」という順番で括るのが通常ですが、国際的には{[()]}のように、「中括弧」を「大括弧」の外に置くことが多くなっています。そのため現在では、「大括弧」という呼び方もやはり適切ではないと考えられています。
<>:山括弧
読み方:山括弧(やまかっこ、やまがっこ)
<>は漢字では「山括弧」で、読み方は「やまかっこ(やまがっこ)」となります。「山鉤(やまかぎ)」や「山パーレン」、「アングルブラケット(angle bracket)」などという呼び方をする場合もあります。
使い方は、強調や引用を表すことが主です。「<他者の不在>が問題だ」などのように使われます。使い方の順番などは、特に決まりはありませんが、見出しなどでは隅付き括弧の後に用いられることが多くなっています。
≪≫:二重山括弧
読み方:二重山括弧(にじゅうやまかっこ)
≪≫は、「二重山括弧」と呼ばれる括弧です。読み方は「にじゅうやまかっこ」で、文字通り「山括弧」が二重になった括弧になります。
使い方は、括弧内の文章を強調するのが主です。「かつてアメリカは≪新世界≫と呼ばれた」などのように使われます。やはり順番についてのはっきりした規程はありません。
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