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一般常識

「追悼」「哀悼」の意味と違い

「追悼」「哀悼」の意味と違い

「追悼」「哀悼」の意味と違い

亡くなった人をいたむ気持ちを表明する際、よく使われる言葉に「追悼」というものがあります。「追悼の意を表す」のような言い回しでおなじみですが、一方で「哀悼」という言葉も、同じような場面や用法でよく耳にします。字面も使い方も似通っていて混同しやすい2語ですが、実際にはまったく同義というわけではなく、微妙な違いにより区別することができます。

今回は、「追悼」と「哀悼」の意味や違いについて解説しますので、両者を使い分ける際の参考にしてみてください。

「追悼」とは

追悼

「追悼(ついとう)」とは、「亡くなった人の生前を偲び、いたみ悲しむこと」という意味の言葉です。「大勢の人が故人を追悼し、在りし日の思い出にふけった」「明日は全国戦没者追悼式が武道館で行われる予定だ」「A氏が故人の友人代表として追悼の辞を述べた」などのように使われます。

「追悼」の「追」は「(先祖を)したう」「見送る」「おいかける」などを表す漢字ですが、この場合は「過去にさかのぼる」の意味で、「追懐」などの熟語で使う場合もこちらの意味となります。一方「悼」の字は、「心が悲しみで高く動揺する」を表しており、ほかに「悼歌」などの熟語で使われます。

「追悼」と「哀悼」は非常に近い言葉ですが、ニュアンスによる使い分けが可能です。「追悼」の場合、「故人の生前を偲ぶ」という行為の部分に重きが置かれる点が、「哀悼」との違いになります。

「哀悼」とは

哀悼

「哀悼(あいとう)」とは、「人の死を悲しみいたむこと」という意味の言葉です。「不慮の事故でこの世を去った友人を哀悼する」「○○様のご逝去の報に接し、謹んで哀悼の意を表します」「8月15日の戦没者追悼式において、英霊の御前に哀悼の誠を捧げた」などのように使われます。

「哀悼」の「哀」は、同情の声を寄せ合うさまを表しており、そこから「かなしむ」や「あわれむ」、「泣きつく」を意味する漢字として使われるようになりました。ほかには「悲哀」や「哀願」などの熟語で使われます。

「哀悼」と「追悼」は、上記のように意味の重点の置きどころが違います。
「追悼」が行為の面を強調する言葉なのに対し、「哀悼」は「亡くなったことについての悲しみ」という感情面を主に表している点が特徴です。そのため通常身近な人の死に際しては、より主観的な「哀悼」の語が使われるようになっています。
両者を使い分ける際は、こうしたニュアンスの違いを意識するとわかりやすいでしょう。

「追悼」「哀悼」の意味と違い

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