一般常識
「東北地方」「北奥羽地方」「南奥羽地方」の違いとは

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「東北地方」「北奥羽地方」「南奥羽地方」の違いとは
「東北地方」は、日本列島を8つに分けたうちの1つの地方ですが、この地方にはほかにもさまざまな呼び名があります。「北奥羽」「南奥羽」もそうした呼び名の1つですが、これらは一体どのように違うのでしょうか。名称は聞いたことがあるものの、具体的な違いについてはよく分からないという人も多いでしょう。
本記事では、「東北地方」「北奥羽地方」「南奥羽地方」のそれぞれの意味や違いについて解説しますので、使い分ける際の参考にしてみてください。
「東北地方」
「東北地方」とは、本州のうち北東部を占める地域のことです。範囲が明確に定義されているわけではありませんが、一般的には青森、岩手、宮城、秋田、山形、山形、福島の6県を指すことが多くなっています。場合によっては行政上や地域開発などの観点から、新潟県を含めることもあります。
日本を大きく2分する分け方では「東日本」に含まれますが、気象などの分野においては、北海道とともに「北日本」に分類されます。
「東北」の名称が使われるようになったのは明治以降で、それまでは「奥羽(おうう)」や「奥州(おうしゅう)」などと呼ばれていました。「奥羽」とは、「陸奥国と出羽国(いずれも律令国)の総称」の意味です。南北に細長い地域で、地形が変化に富み、各地域によって気候や生活様式には違いがあります。
「北奥羽地方」
「北奥羽地方」とは、「東北地方」の北部の地方を指す言葉です。範囲は明確に定まっていませんが、一般的には青森県、岩手県、秋田県の3県を指します。
本州の最北部に位置しており、「北東北」や「北東北3県」などとも呼ばれます。「奥羽」の名称は、上記のように律令国の「陸奥国」と「出羽国」を合わせたもので、古くは「みちのく国」とも呼ばれていました。
1990年代半ば以降は、青森、岩手、秋田の3県で政治連合が結成され、当地における合同事業等が行われるなど、地域的な結びつきを強めています。座敷わらしやなまはげなどでも有名で、「民俗学の宝庫」といった言い方もされます。
方言においても、「北奥羽」と「南奥羽」のそれぞれでは違いがあり、「北奥羽方言」は東京式アクセントになるなどの特徴があります。
「南奥羽地方」
「南奥羽地方」とは、「東北地方」の南部の地方を意味する言葉です。こちらも範囲の明確な定義はありませんが、一般には宮城県、山形県、福島県の3県を指すことが多くなっています。「南東北」と呼ばれることもあります。
「南奥羽」と「北奥羽」の境目についても、特にはっきりきまっているわけではありませんが、こうした区分が行われるようになったのには、1990年代以降の陸上交通の再編が関係しています。この時代、高速道路や新幹線などが整備されたことにより、東北の東西関係が密接化すると同時に、南北の枠組みも形成されていきました。
経済面においては、仙台市を中心とした経済圏が形作られており、この点は経済的な結びつきの薄い「北奥羽地方」との違いになります。また言葉の面でも、「北奥羽方言」が東京式アクセントなのに対し、「南奥羽方言」は無アクセントといった違いがあります。

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