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一般常識

「取る」「採る」「執る」「捕る」「撮る」「摂る」の意味と違い

「取る」「採る」「執る」「捕る」「撮る」「摂る」の意味と違い

「取る」「採る」「執る」「捕る」「撮る」「摂る」の意味と違いとは

「とる」は日常生活でも頻繁に使う言葉ですが、それを漢字で表す場合、さまざまな表記があることに気付くでしょう。代表的なのは「取る」ですが、それ以外にも「採る」「執る」「捕る」「撮る」「摂る」などの表記があり、それぞれの違いが分かりにくくなっています。果たしてこれらは、どのように使い分けるべきなのでしょうか。

今回は、「取る」「採る」「執る」「捕る」「撮る」「摂る」の意味や使い分け方などについて紹介していきたいと思います。

「取る」とは

取る

「取る」にはさまざまな意味があります。まず1つは、「手に持つ」という意味で、離れているものを手でつかんで持ったり、操作することなどを指します。「スプーンを手に取る」「舵を取る」のように使われます。
もう1つは、「それまであった場所から別のところへ移す」という意味合いで、この場合は「染みを取る」「ふたを取る」「点を取る」のように使われます。
このほかにも、「不覚を取る」のように「身に負う」という意味合いや、「カウントを取る」のように「数量をおしはかる」の意味合い、「宿を取る」のように、「場所を占める」といった意味合いなどがあります。

「取る」の「取」という字は、「戦争で殺した敵の耳をとる」さまを表しており、「とらえる・とる」の意味を持ちます。

「採る」などとの大きな違いは、このように使われ方が幅広いという点にあります。「とる」という言葉は多くの場合で、この「取る」の表記を使うことができます。

「採る」とは

採る

「採る」の意味合いは、「選びだす」というものです。何らかのすぐれているものや、人を採用することを言います。「新卒を採る」「最善の策を採る」のように使われます。

「採る」にはもう1つの意味合いとして、「集める」というものもあります。「きのこを採る」「野草を採る」「サンプルを採る」などのように、植物などものを収集することを言います。

「採る」の「採」という字は、「手」「木の実を摘みとる」の象形から成り、「とる」「つみとる」を意味します。

「採る」はこのように、意味合いが限られる点が、「取る」との違いになります。使い分ける場合は、「採用」や「採取」「採択」といった熟語で考えると、分かりやすいでしょう。

「執る」とは

執る

「執る」の表記は、「あつかう」「処理する」「運用する」という意味で使われます。具体的には、「筆を執る」「事務を執る」「政務を執る」のような使い方になります。また、「引き受ける」や「ある態度などを選ぶ」の意味合いもあり、それぞれ「仲介の労を執る」「不遜な態度を執る」のように使われます。

「執る」の「執」という字は、「手かせに手をとられてひざまずくひと」を表し、「とらえる」「とる」を意味します。

「執る」はこのように、「仕事や職務を行う」「引き受ける」「行動や態度を選ぶ」の意味で使われるところが、「採る」などとの違いになります。「執筆」「執務」「執事」「執政」「固執」などの熟語を思い浮かべると、違いが分かりやすいでしょう。

「捕る」とは

捕る

「捕る」の意味は、「つかまえる」というものです。ある対象に、ぴったりと手を当てることを言います。「すずめを捕る」「魚を捕る」「虫を捕る」「ゴロを捕る」のように使われます。

「捕る」の「捕」という字は、「苗を手にとる」さまを表しており、「しっかり手にとる」「つかまえる」を意味します。

「捕る」はこのように、虫や魚などの生き物をつかまえたり、ボールをキャッチするという意味で使われる点が、「採る」などとの違いになっています。使い分ける際は、「捕獲」や「捕球」といった熟語を思い浮かべると、分かりやすいでしょう。

「撮る」とは

撮る

「撮る」の表記は、「映像や音を写す」という意味で使われます。画像や動画、音を、フィルムなどの記録媒体に残すことを言います。「一眼レフで写真を撮る」「スマートフォンで動画を撮る」「結婚式の様子をカメラで撮る」のように使われます。

「撮る」の「撮」という字は、「手」「つまみとる」の象形から成り、「つまむ」を意味しますが、「写真を写す」の意味でも使われるようになりました。

「撮る」はこのように、「写真や映像を写す」の意味で使われる点が、「採る」や「執る」などとの違いになります。「撮影」の語を思い浮かべると、使い分けやすくなります。

「摂る」とは

摂る

「摂る」は、「とりこむ」の意味で使われる表記です。食物を食べたり、栄養などを体内にとりこむことを指します。「たっぷりした食事を摂る」「栄養をバランスよく摂る」のように使われます。

「摂る」の「摂」という字は、「手」「削ぎ取った耳をそろえる」の象形から成り、「手でそろえて持つ」を意味します。そこから「とる」「つかまえる」の意味が生まれ、「とりこむ」の意味でも使われるようになりました。

「摂る」はこのように、「食べ物や栄養を体に入れる」の意味で使われる点が、「採る」「執る」などとの違いになります。「摂取」という熟語を思い浮かべると、使い分けるのに便利です。

以上のように、「取る」の表記はもっとも幅広く使われ、「採る」「執る」「捕る」「撮る」「摂る」は、それぞれ意味合いを限定する場合に使われます。