一般常識
「解く」「説く」の意味と違い
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「解く」「説く」の意味と違い
「とく」という言葉の漢字表記には、多数の候補があります。「解く」と「説く」の2つもその一種ですが、これらは比較的近い意味合いを持つことから、使い分けに迷うケースが少なくありません。たとえば「誤解をとく」という場合には、どちらの表記を使うのが正しいのでしょうか。考えてみると混乱するという人も多いでしょう。
今回は「解く」と「説く」の意味や違いを詳しく解説しますので、両者の使い分けで悩んでいる方は参考にしてみてください。
「解く」とは
「解く」の意味は複数あります。1つは「結んだりしているものをゆるめて離す」というもので、この場合は「帯を解く」「包みを解く」のように使われます。また、「からまった糸を解く」のように「もつれたものを元の状態に戻す」の意味や、「旅装を解く」のように「身に付けたものをはずす」の意味合いもあります。
ほかにも、「命令や束縛などから解放する(縛めを解く)」「任務などをやめさせる(任を解く)」「拘束していた態勢を崩し、元の状態へもどす(武装を解く)」「心のわだかまりなどをほぐす(怒りを解く)」「筋道をたどって解答を出す(問題を解く)」などの意味合いがあります。
「解く」の「解」の字は、「刀で牛を裂くさま」を表しており、そこから「とく」の意味で使われるようになりました。
「説く」とは語源が同じ関係にありますが、そちらとの違いにあたる「解く」の特徴は、あるものを分離・解放させたり、答えを導きだすことを指す点にあります。これに対し「説く」は、後述するように意味の重点の置きどころが異なります。
「説く」とは
「説く」とは、「物事の道理や筋道をよくわかるように話す」「さとす」という意味の言葉です。「人の道を説く」「キリストの教えを説く」などのように使われます。また、「物事の事情や成り行きを説明する」という意味もあり、この場合は「変革の必要性を説く」のように使われます。さらに「マルクス経済学を解く」のように、「解説する」「講義する」の意味合いも含まれます。
「説く」の「説」という字は、「言葉で分解する」さまを表しており、そこから「とく」の意味で使われるようになりました。
「説く」と「解く」は、上記のように同じ語源の言葉ですが、使われ方は明確に違います。
「説く」の場合は「教えさとす」や「説明する」「解説する」といった意味合いを持ち、あることを他人に言葉で明示するという点で、「解く」と使い分けられます。「誤解をとく」の場合、重点は「わだかまりをほぐす」の意味合いに置かれるので、「解く」の方がふさわしいと言えます。
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