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シンクタンクの意味とは?コンサルティング会社との違いや種類

シンクタンクの意味とは?コンサルティング会社との違いや種類

政治や経済関連のニュースなどを見ていると、「シンクタンク」という言葉に触れることがよくあります。この「シンクタンク」、社会的に大きな影響力を持つ組織として世界中に存在していますが、一体どのような活動をしているのでしょうか。何となくのイメージはあっても、具体的な活動内容などについてはよくわからなかったり、「コンサル」との違いがあいまいという人も多いでしょう。

そこで本記事では、「シンクタンク」の意味や種類、「コンサルティング会社」との違いなどについて詳しく解説していきたいと思います。

シンクタンクの意味とは?コンサルティング会社との違い

シンクタンクの意味とは?

「シンクタンク」とは、「各分野の専門家を広く集め、高度な研究を行う組織」といった意味の言葉です。

英語の「think tank」という言葉をカタカナ化したもので、直訳すれば「思考の貯槽」となりますが、日本語では一般的に「頭脳集団」と訳されます。言葉の由来は、米軍内で「作戦を練る部屋」を「think tank」と呼んでいたことにあります。

扱われる分野は、政治、経済、科学技術、社会政策など多岐に渡り、それらについての課題や事象の調査・研究を実施、その結果を発表したり、それに基づく提言などを行います。

シンクタンクの起源は16世紀ごろまで遡れますが、近代的なシンクタンクの始まりは、20世紀初頭にアメリカで創設された「カーネギー国際平和基金」にあるとされています。欧米ではシンクタンクの活動は盛んで、その存在は政治的・社会的に重要視されていますが、日本での影響力は、欧米ほど強くありません。

コンサルティング会社との違い

シンクタンクとコンサルティング会社はよく混同されがちですが、両者は本義とする部分において明確な違いがあります。

「コンサルティング会社」とは、文字通り「ある分野についてのコンサルティングを行う会社」を意味します。主に企業が抱える問題についての相談を請負い、その解決に向けた提言や、戦略策定のサポートなどを行うのを目的としています。

シンクタンクでも、上記のように依頼者に提案や助言を行うことはありますが、重点は他の部分にあります。シンクタンクが主な業務とするのは、社会や企業の問題などについての調査や研究、分析といった部分で、それに基づく提言等は、あくまで二義的なものとなっています。

ただ、最近ではシンクタンクがコンサルティング業務を行うケースも多く、以前ほど両者の違いは明瞭ではなくなってきています。

2種類のシンクタンク

一口にシンクタンクといっても、実際にはさまざまなタイプのものがありますが、大きくまとめると、2種類に区分することができます。その2つとは、「政府系」と「民間系」です。ここからは、それぞれのシンクタンクの特徴などについて見ていきましょう。

政府系のシンクタンク

最初に紹介するシンクタンクの種類は、政府系です。
政府系のシンクタンクは、政府系組織の傘下に置かれた非営利組織として、政治経済や国際情勢などの調査・分析や、それに基づく提言などを主に行っています。政策決定の過程において、非常に重要な役割を担います。

日本における政府系シンクタンクの代表的な例としては、内閣府に属する「経済社会総合研究所」や、経済産業省傘下の「経済産業研究所」、元外務省所管の「日本国際問題研究所」などが挙げられます。

民間のシンクタンク

続いての種類は、民関系のものです。
民間のシンクタンクは多くの場合、商社や金融機関など大企業の系列会社として運営されており、クライアントの経営課題等について分析・研究したり、提言などを行ったりすることで、企業や官公庁の活動をサポートする活動を行っています。

政府系に比べ、活動内容がコンサルティング会社に近いのが特徴で、特に大手の民関系シンクタンクでは、「経営コンサルティング部門」や「ITコンサルティング部門」などを設置して、多様なジャンルのコンサルティング業務を行っています。

民間のシンクタンクは、以下のようなものに区分できます。

銀行系

「銀行系」のシンクタンクは、文字通り銀行系列の研究機関として、主に資金調達に関する提言を行っています。会計や法務などに関する専門知識に基づいて、M&Aや新産業の創出といった事業戦略の提案をクライアントに対して行うことで、企業価値の向上に寄与します。

銀行系シンクタンクの代表的な例としては、みずほフィナンシャルグループの「みずほ総合研究所」や、三井住友フィナンシャルグループの「日本総合研究所(JRI)」などがあります。

証券系

続いての民間系シンクタンクの種類は、「証券系」です。
こちらは、証券会社の系列企業として、主に投資家向けの資産運用アドバイスなどを手がける組織になります。企業の業績見通しや経済動向についてリサーチ・分析を行い、担当するクライアントの投資状況を評価するという、比較的ファンドマネージャーに近い業務が中心となります。

代表的な例としては、日本最大手シンクタンクの「野村総合研究所」や、大和証券グループの「大和総研」などが挙げられます。

保険系

「保険系」のシンクタンクは、医療機関を対象とした研究機関になります。病院経営の基盤の総合的な強化を主な活動の目的としており、医療・介護・保険などの分野の調査結果に基づいて、マーケティングの視点からのアドバイスをクライアントに対して行っています。

こちらのシンクタンクの代表的な例としては、損害保険ジャパン株式会社の関連会社である「SOMPO未来研究所」や、第一生命ホールディングスのグループ企業である「第一生命経済研究所」などが挙げられます。

企業系

民間のシンクタンクの種類、最後に挙げるのは、「企業系」です。こちらは、クライアントの抱える経営問題を解決することにより、企業価値を高めることを活動の目的とする研究機関になります。危機的な経営状況の打破に向けた再生支援や、グローバル化が進んだ市場で生き残るための提言などを、主な業務として行っています。

企業系シンクタンクの代表例としては、三菱グループ各社の出資により設立された「三菱総合研究所」や、株式会社NTTデータの子会社である「NTTデータ経営研究所」などが挙げられます。

シンクタンクの意味とは?コンサルティング会社との違いや種類

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