社会人のためのビジネス情報マガジン

  • フェイスブック
  • ツイッター
  • RSS

一般常識

「鉄」「鋼鉄」の意味と違い

「鉄」「鋼鉄」の意味と違い

「鉄」「鋼鉄」の意味と違い

「鉄」は、私たちにとって最も身近な金属の1つです。建物や機械類などあちこちに使われているだけでなく、人間の体の中にも存在しています。一方、この「鉄」と非常に近い言葉として、「鋼鉄」というものもよく目にするようになっています。大雑把に同じものとして語られることも多い両者ですが、実際の定義は異なるものであり、きちんと使い分けることが可能です。

今回は、「鉄」と「鋼鉄」の意味や違いについて解説していきますので、これらを使い分ける際の参考にしてみてください。

「鉄」とは

鉄

「鉄(てつ)」とは、「周期表第Ⅷ族に属する鉄族元素の1つ」を意味する言葉です。元素記号では「Fe」と表記されますが、これはラテン語の「ferrum(鉄)」に由来しています。英語では、「iron」と書かれます。

「鉄」は、地殻中に存在する元素の中でも特に量が多いことで知られており、金属元素としては、アルミニウムに次ぐ2位の地位を占めます。天然の状態で単体として存在することはほとんどなく、磁鉄鉱や赤鉄鉱などの形で産出されます。「純鉄(不純物がきわめて少ない鉄)」は銀白色をしており、延性・展性が豊富で、常温で強磁性を示すという特徴があります。

「鉄」はさまざまな場面で使われますが、純粋な形ではなく、炭素との合金(鉄鋼)として用いられるのが通常です。この合金の一種が「鋼鉄」で、これが両者の主な違いになります。

「鋼鉄」とは

鋼鉄

「鋼鉄(こうてつ)」とは、「鉄と炭素の合金の一種で、炭素量を2%以下に抑えたもの」を意味する言葉です。「はがね(鋼)」とも呼ばれ、英語での表記は「steel」になります。

「鋼鉄」は、鉄鉱石を高炉で溶かした「銑鉄(せんてつ)」を、電気炉で精錬することにより作られます。前述のように、炭素量が2%以下に抑えられている点が特徴で、これにより強度と靭性のバランスが整えられ、建築材料などとして使いやすくなります。「炭素鋼(鉄と炭素だけから成るもの)」と「合金鋼(炭素以外の合金元素を加えたもの)」の2種類があり、一般的な量産鋼は前者にあたります。

「鋼鉄」と「鉄」の違いは、「合金か純金属か」という点にあります。純金属である「鉄」は、そのままの形では柔らかくもろいので、炭素を加えて合金にすることにより、産業用の材料として使えるようになります。「鋼鉄」は、そうして作られた合金の一種という点で、「鉄」と使い分けられます。

「鉄」「鋼鉄」の意味と違い

この記事が気に入ったら いいね!しよう

最新の情報をお届けします