一般常識
「昂る」「高ぶる」の意味と違い
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「昂る」「高ぶる」の意味と違い
日本語の中には、読み方は同じでも、漢字表記が異なる言葉がたくさんあります。「昂る(たかぶる)」と「高ぶる(たかぶる)」も、そうした言葉の一種です。これらは一見、まったく同じことを指しているように見えますが、実は微妙な違いを含んでいて、場面に応じて使い分けることも可能です。では、その違いとは、具体的にどのようなものなのでしょうか。
今回は、「昂る」と「高ぶる」の意味や違いについて詳しく解説していきますので、これらの使い分け方について知りたいという人は、参考にしてみてください。
「昂る」
「昂る」とは、「興奮状態になる」という意味の言葉です。気分が高揚したり、興奮したりすることなどについて言います。「入試を前にあまりに気分が昂るので、落ち着くために音楽を聴いた」「サッカーのワールドカップを見たせいで、神経が昂ってなかなか寝付けない」のように使われます。「昂る」の「昂」という字は、「あがる」を意味しており、「激昂(げきこう)」や「昂揚(こうよう)」、「昂進(こうしん)」などの熟語に使われます。
「高ぶる」との違いは、意味が限定される点にあります。「高ぶる」が後述するように、異なる2つの意味を持つのに対し、「昂る」の表記には「興奮する」の意味しかありません。また、「昂」の字は常用漢字表に含まれない点も、両者の違いになります。
「高ぶる」
「高ぶる」とは、「気分・感情などが高まる」という意味の言葉です。何らかの理由で興奮状態になることを言います。「決勝戦を控えて、気持ちが高ぶるのを抑えられない」「こんなに神経が高ぶった状態では、運転するのは危険だ」のように使われます。「高」の字は「たかい」を意味しますが、「感情の程度が大きくなる」の意味もあります。
「高ぶる」にはまた、「思いあがった態度を取る」「尊大に振る舞う」の意味もあり、この場合は「部下に高ぶった態度で接する」のように使われます。こちらの「高」は「いばる」を表しており、「高言」などの熟語で使われる「高」は、この意味合いになります。
「昂る」との違いは、上で述べたように、2つの意味を持つ点にあります。「高ぶる」は、「興奮する」だけでなく「いばる」の意味も持つ点が特徴です。また、「高」は常用漢字であることから、公用文などでも使える点も、「昂る」との区別のポイントとなります。
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