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一般常識

「勧める」「進める」「薦める」「奨める」の意味と違い

「勧める」「進める」「薦める」「奨める」の意味と違い

「勧める」「進める」「薦める」「奨める」の意味と違い

「勧める」「進める」「薦める」「奨める」は、いずれも「すすめる」と読む言葉です。これらはそれぞれ、意味が異なるところと重なるところがあり、使い分けは決して簡単ではありません。そこで今回は、この4つの言葉の意味と違いについて詳しく解説していきますので、使い分ける際の参考にしてみてください。

勧めるとは

勧める

「勧める」の意味は、次のようなものです。まず1つは、「人がその行事を行うよう誘いかける」というもので、「入会を勧める」「立候補を勧める」のように使われます。
もう1つは、「ものやサービスを提供し、その飲食や利用を促す」という意味合いで、こちらは「お茶菓子を勧める」「座布団を勧める」のように使われます。
また、「何かを積極的に実行するよう励ます」という意味合いもあり、こちらは「貯金を勧める」のように使われます。

「勧める」の「勧」という字は、「たすける」と「力強い腕」の象形から成っています。ここから「助けて行わせる」という意味の漢字として成り立ちました。

「進める」などとの違いについては、以下で見ていきましょう。

進めるとは

進める

「進める」の主な意味合いは、「前へ動かす」というものです。細かい使われ方では、「歩を進める」「ひざを進める」のように「ものを前進させる」という意味合いや、「話を進める」「計画を進める」のように、「ものごとを進行させる」といった意味合いがあります。
また、「ものごとの程度や質をさらに高める」(合理化を進める)や、「地位や段階を上に移す」(二回戦に駒を進める)といった意味合いもあります。

「進める」の「進」という字は、「行く」と「鳥」の象形から成っています。そこから「鳥が飛んで行く=すすむ」を意味する漢字として成り立ちました。

「進める」は「勧める」と同じ語源の言葉ですが、このように「前進させる」「高める」を表す点が違います。

薦めるとは

薦める

「薦める」もまた、「進める」や「勧める」と同じ語源の言葉です。しかし、実際の使われ方には違いがあります。「薦める」の表記が表すのは、主に「人や物などの良い点を述べて、その採用を相手に促す」という意味合いです。具体的には、「田中さんを役員として薦める」のような使い方になります。別の言葉で言えば、「推薦」の意味合いです。ほかには、「こちらの商品をお薦めします」「私はこの絵を優秀作品として薦める」のように使われます。

「薦める」の「薦」という字は、「一本角のけものが食べる草」を表していますが、後に別の漢字と同じ使われ方をするようになりました。そこから「すすめる」を意味するようになったという経緯があります。

奨めるとは

奨める

「奨める」は、「勧める」と意味の違いはありません。やはり「相手にあることをするよう働きかける」ことや、「相手にものなどを差し出し、その利用を促す」といったことを表します。使い方も、「商品の購入を奨める」「出場辞退を奨める」「風呂を奨める」「食事を奨める」などのようになります。

「奨める」の「奨」という字は、「肉を調理してすすめる」と「犬」の象形から成っています。ここから「犬をその気にさせて肉をくわせる=すすめる」を意味する漢字として成り立ちました。

「奨める」は、このように「勧める」と同じように使うことができますが、実際の使用頻度は、「勧める」に比べて少なくなっています。これは、「奨」における「すすめる」の読みが、常用外となっているためです。

「勧める」「進める」「薦める」「奨める」の意味と違い

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