一般常識
「収束」「集束」「終息」「終結」の意味と違い
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収束・集束・終息・終結の意味と違い
「事態が“しゅうそく”する」という場合の「しゅうそく」には、どんな漢字が当てはまるでしょうか。「収束」と答える人もいれば、「終息」と答える人もいるかもしれません。果たしてこの2つの言葉はどう違うのか、また「集束」や「終結」との意味の違いも気になるところです。そこで今回は、「収束」「集束」「終息」「終結」の意味と違いについて解説していきます。
収束とは
「収束」とは、「おさまりがつくこと」という意味の言葉です。分裂・混乱していたものにまとまりがつき、無事におさまることを指しています。「事態が収束に向かう」「争いが収束する」のように使われます。
「収束」の「収」は「おわる」「やむ」を表し、「束」は「たばねる」「くくる」を表しています。
「収束」のもう1つの意味合いが、「ある値に限りなく近づくこと」というものです。こちらは数学用語としての意味合いになり、「収斂(しゅうれん)」とも呼ばれます。数列の項が、ある一つの有限確定の値にいくらでも近づくことや、無限級数の和が有限確定の値であることなどを指します。また、収束には「光線などが一点に集まること」という意味合いもあります。
「集束」との違いについては、以下で見ていきましょう。
集束とは
「集束」とは、「多くの光線が一点に集まること」という意味の言葉です。光などの束が、1つの点に集中することを言います。これは、「収束」の一部の意味合いとまったく同じものです。「収斂」とも呼ばれます。「集束」の「集」は「寄り合う」「つどう」を意味しており、「束」は上記のように、「くくる」などを意味します。
「集束」という言葉が使われるのは、「集束レンズ」や「集束イオンビーム」などといった場合です。「集束レンズ」は光線を一点に集めるために使うレンズのことで、「コンデンサー」とも呼ばれます。「集束イオンビーム」は、微細加工などで使われる、イオンを電界で加速したビームを細く絞ったもののことです。
このように、「集束」は「収束」と一部意味合いが重なりますが、「おさまりがつく」などの意味は持たないところが違いになります。
終息とは
「終息」とは、「おわること」「やむこと」という意味の言葉です。何らかのものごとが終わりを迎えることを言います。
「終息」の「終」は「完了する」「つきる」を意味し、「息」は「呼吸」の意味を持ちますが、この場合は「止める」や「終わる」を意味します。「新型肝炎の終息宣言が出された」のように使われます。
「終息」は「収束」と混同しやすい言葉ですが、意味合いには微妙な違いがあります。「収束」は「おさまりがつく」という意味で、「一定程度落ち着く」ことを表していますが、「終息」は「完全に終わること」を意味しています。
終結とは
「終結」とは、「ものごとが終わりになること」という意味の言葉です。それまで継続していたものごとに、決着がつくことを表しています。読み方は、「しゅうけつ」です。「終」は前述のように「完了する」を意味し、「結」もこの場合は、「終わりになる」を意味しています。「内戦が終結した」「裁判がようやく終結する」のように使われます。
「終結」と「終息」は、どちらも「終わる」という意味の字を2つ重ねて作られています。そのため意味合いもほぼ同じで、違いはほとんどないと言えます。ただ、「終結」は「決着がつく」という意味合いを含むことから、「終息」よりも「はっきり終わる」というニュアンスを含むという点で区別できます。
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