一般常識
「静まる」「鎮まる」「沈まる」の意味と違い

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静まる・鎮まる・沈まるの意味と違い
「静まる」と「鎮まる」は、どちらも「しずまる」と読む言葉です。これらは意味も同じように見えるため、場合によっては使い分けが難しいこともあります。どのような点に気をつければ、うまく使い分けられるようになるのでしょうか。
今回は、「静まる」「鎮まる」の意味と違いとともに、「沈まる」との違いについても解説していきます。
静まるとは
「静まる」の主な意味合いは、「穏やかになる」というものです。今まで起こっていた物音や動きがおさまり、静かになることを指します。具体的には、「騒ぎは徐々に静まっていった」「議論を終えて、会場は急に静まった」のように使われます。また、「勢いが衰える」という意味合いもあり、この場合は「風が静まる」「揺れが静まる」のように使われます。さらに「落ち着く」の意味合いもあり、こちらは「興奮が静まる」「怒りが静まる」のように使われます。
「静まる」の「静」の字は、「あおく澄み切る」と「あらそう」の象形から成っています。この意味は、「あらそいが澄み切る=しずまる、うごかない」というものです。
「鎮まる」などとの違いについては、以下で見ていきましょう。
鎮まるとは
「鎮まる」は、基本的には「静まる」と同じ意味合いの言葉です。しかし、実際の使われ方には違いがあります。「鎮まる」の表記が主に表すのは、「動乱などがおさまる」という意味合いです。暴動や武装蜂起といった大きな争いが収束し、事態が静けさを取り戻すことを言います。「反乱はようやく鎮まった」「暴動は鎮まりつつある」のように使われます。また、「鎮まる」には「神が鎮座する」という意味合いもあり、こちらは「神の鎮まる社(やしろ)」のように使われます。
「鎮まる」の「鎮」という字は、「金属」「つめる」を表す象形から成っており、「おもし」や「おさえ」を意味しています。そこから「おさえつける」「とどめる」という意味でも使われるようになりました。
このように、「鎮まる」は主に「鎮圧」「鎮座」の意味合いで使われ、「静まる」は「沈静」の意味で使われるという点に留意すると、使い分けがしやすくなります。
沈まるとは
「沈まる」という言葉は、正式なものではありません。ごくまれに、個人的な用法として使われることがありますが、一般的には通用しないようになっています。一般的に通じる使い方であれば、「沈める」が正式なものです。「沈める」と「静める」は同じ語源の言葉ですが、「静まる」という言い方があるのとは違い、「沈まる」とは言わないようになっています。ですので、私的な文章で使うのは問題ありませんが、公的な文章で使うことはNGです。
ちなみに、「沈」の字は、「人がまくらに頭をしずめる」さまを表しており、そこから「水の奥に入れる」「下のものにめり込ませる」「静かにしている」などの意味を持つようになりました。
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