一般常識
「施政方針演説」「所信表明演説」の意味と違い
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「施政方針演説」「所信表明演説」の意味と違い
国会に関するニュースで耳にする機会が多い言葉の1つに、「施政方針演説」というものがあります。一方、これと非常によく似ていて混同しやすいのが、「所信表明演説」です。どちらも総理大臣によって行われる演説を指しますが、一体どの点が異なるのでしょうか。両者の使い分けのポイントが気になるところです。
今回は、「施政方針演説」と「所信表明演説」の使い分け方について知りたいという方のために、それらの意味や違いを詳しく解説していきたいと思います。
「施政方針演説」
「施政方針演説(しせいほうしんえんぜつ)」とは、「通常国会(常会)の冒頭で内閣総理大臣が行う演説」を意味する言葉です。憲法や国会法による明確な規定はありませんが、1890年の第一回帝国議会以来、行われるのが慣習となっています。最初に行ったのは、当時の首相だった山県有朋になります。
この演説において内閣総理大臣は、内政・外交の国政全般にわたり、今後1年(あるいは1年以上)の政府の基本的方針について明らかにします。その後外務大臣、財務大臣、経済財政政策担当大臣からの演説が行われ、続いて各会派の議員によるこれらの演説への質疑と、それに対する各大臣の答弁が行われます。
「所信表明演説」との主な違いは、「通常国会において行われる」という点にあります。
「所信表明演説」
「所信表明演説(しょしんひょうめいえんぜつ)」とは、「政府の長が、施政に関する考えを表明するために行う演説」という意味の言葉です。日本においては、臨時国会あるいは特別国会の冒頭で、内閣総理大臣が衆議院および参議院の本会議場において行うものを指します。政権として取り組む重要課題や政権の運営方針などが語られ、続いて与野党各会派の代表質問と、それに対する首相の答弁が行われます。1953年の臨時国会で吉田茂が初めて行って以来、慣例的に行われています。
「施政方針演説」との違いは、「臨時国会や特別国会において行われる」という点にあります。また、原則として担当閣僚による財政などの演説を伴わない点も、「施政方針演説」との違いになります。
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