一般常識
「資本」「財産」「資産」の意味と違い
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「資本」「財産」「資産」の意味と違い
「資本」「財産」「資産」の3語は、日常のさまざまなシーンでよく使われる言葉です。しかし、いずれも漠然とした意味合いは知っているものの、詳しい内容を説明するとなると、意外に難しいことに気づきます。しかも、どの言葉もイメージが重なる部分を持つため、それぞれを正確に区別するのはもっと大変です。果たしてこれらの言葉は、どのように使い分けるべきなのでしょうか。
今回は、「資本」「財産」「資産」の意味や違いについて詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
「資本」とは
「資本(しほん)」という言葉は、使用する場面によって意味が違います。
最も一般的な意味合いは「もとで」というもので、「商売・事業をするのに必要な基金」や、比喩的に「活動の基となる大切なもの(「職人は体が資本だ」などのように)」を指して使われます。また経済学では、「労働」「土地」と共に「生産の3要素」の1つ」を指します。一方、会計用語としての「資本」は、「企業の資産総額から負債を差し引いた純資産」を意味します。
「資本」は「もとで」を表す点において、「(金銭的な)価値のあるものの総称」を表す「財産」とは区別されます。一方、「資本」と「資産」はどちらも会計用語ですが、「資本」は「資産から負債を引いて得られた金額の合計」を指す点が特徴となっています。貸借対照表では、「資本(自己資本)」は右側の区分に含まれます。
「財産」とは
「財産(ざいさん)」の主な意味とは、「価値あるもの」です。金銭や有価証券といった、個人や組織等が所有する経済的価値のあるものの総称として使われることが多くなっています。また、より広い意味合いを込めるケースもあり、その場合は「アマゾンの森林は人類共通の財産だ」などの使われ方をします。一方、税務や会計用語としての「財産」は、「資産(積極財産)と負債(消極財産)の総体」の意味になります。
上で述べたように、「財産」は「価値あるもの」を指す点が、「資本(もとで)」との違いになります。これに対し「資産」との違いは、「価値」の性格に求められます。「資産」がプラスの価値を持つもの(金銭、債権など)のみを指すのに対し、「財産」はプラスと共にマイナスの価値を持つもの(借金、債務など)も含みます。
「資産」とは
「資産(しさん)」とは、「個人や法人の所有する金銭・土地・建物などの総称」という意味の言葉です。商品や設備・建物、社債等発行費など、決算時点で会社の保有になる財産全般を指して使われます。企業会計においては、貸借対照表上で流動資産・固定資産・繰延資産の3つに区分され、右側の欄に記入されます。
「資産」と「資本」の違いは、「企業活動の果実と源泉」という具合に言い表せます。会社は経営の元手となる資本金等の「資本」を運用し、現金などの「資産」を増やして成長を目指すこととなります。一方、「財産」との違いは、上記のように「マイナスの価値を含むかどうか」という点に求められます。「資産」にはプラスの価値しか含まれない点で、「財産」と使い分けられます。
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