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一般常識

「石油」「原油」「重油」の意味と違い

「石油」「原油」「重油」の意味と違い

「石油」「原油」「重油」の意味と違い

私たちの暮らしに欠かせないものはたくさんありますが、そのほとんどに関係しているのが、「石油」です。ただ、「石油」の重要性については誰もが認識しているものの、その詳しい実態の方は、決して広く知られているとは言えません。「原油」や「重油」との違いについても、正直うまく説明できないという人が多いでしょう。

今回は、「石油」「原油」「重油」の3語の意味や違いについて解説していきますので、これらを使い分ける際の参考にしてみてください。

「石油」とは

石油

「石油(せきゆ)」とは、「天然に産出される、炭化水素を主成分とした可燃性物質の総称」を意味する言葉です。英語の単語では、「petroleum」が該当します。
石炭と同じ化石燃料の一種であり、古代に海底に繁殖した生物の遺体が、バクテリアなどの作用で分解されてできたものとする説が有力です。現代社会においては、エネルギー源や化学工業原料として、非常に重要な価値を持ちます。

狭義の「石油」と「原油」は、実質的な違いはほとんどなく、呼び方が異なるだけと言うことが可能です。事実、「石油=原油」の意味で使われることが多くなっていますが、広義の意味合いでは、「石油」には「原油」以外のものも含まれます。たとえば、「ガソリン」や「灯油」、「重油」などについても、「石油」と呼ぶことができます。

「原油」とは

原油

「原油(げんゆ)」とは、「油井(ゆせい)から採掘されたままの、精製していない石油」を意味する言葉です。英語では、「crude oil」と呼ばれます。「原油生産量」「原油輸出」などのように使われます。

「原油」と「石油」の違いは、上記のようにあまりないと言うこともできますが、細かい点では区別することが可能です。
「石油」は地下から掘り出された状態では使えず、精製することで「ガソリン」や「灯油」などとして利用できるようになりますが、「原油」はこうした加工を施していない状態のもののみを指します。これに対し「石油」は、前述のように、これらすべてのものを指して使えるようになっています。つまり、「ガソリン」は「石油」ではありますが、「原油」にはあたらないということになります。

「重油」とは

重油

「重油(じゅうゆ)」とは、「石油」の一種で、「揮発油や灯油などを分留した後に残る、高沸点の油」を意味する言葉です。英語では「fuel oil」や、「heavy oil」などと呼ばれます。

上で述べたように、「石油」は「原油」の状態で掘り出されますが、そこにはいくつかの沸点範囲の異なる炭化水素が含まれています。これを常圧蒸留装置で精製していく過程で、それぞれの沸点範囲に応じた石油製品が作られることになります。たとえば35~180℃では「ガソリン」や「ナフサ」などが、170~250℃では、「灯油」や「ジェット燃料」が精製されます。

「重油」は、このうち最も高温の350℃以上で蒸留される石油製品です。ディーゼル機関などの燃料として使用され、真空蒸留すると「アスファルト」になります。

このように、「重油」は「石油」の一種という点では「原油」と違いはありませんが、精製によって作られる点で使い分けられます。

「石油」「原油」「重油」の意味と違い

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