一般常識
「列席」「参列」「出席」「臨席」「陪席」の意味と違い
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列席・参列・出席・臨席・陪席の意味と違いとは
結婚式や葬儀、あるいは会議や授業などの場に出る時、さまざまな言葉が使われます。「列席」「参列」「出席」「臨席」などがそれですが、これらの言葉はそれぞれ、どういった具合に使い分けるべきなのでしょうか。多くの人にとって分かりづらいところでしょう。
そこで今回は、「列席」「参列」「出席」「臨席」の意味、そして「陪席」との違いなどについて解説したいと思います。
列席とは
「列席」とは、「その席につらなること」という意味の言葉です。何らかの式や、会合に出席することを指します。「優勝祝賀会に列席した人々」「結婚式には親友たちに列席してもらう予定だ」「本日はご列席いただき、誠にありがとうございます」などのように使われます。
「列席」の「列」という字は、「頭骨」と「刀」の象形から成り、「わける」の意味を持ちますが、後に「つらなる」の意味も派生しています。「席」の字は、「しきもの」「布切れ」の象形から成り、「しきもの」の意味を持ちます。
「参列」との違いは分かりづらいところですが、一般的に両者は、立場によって使い分けられています。「列席」は主宰者側が使うのが通常で、例えば結婚式であれば、新郎新婦や親族が「ご列席のみなさま」などという風に使います。
参列とは
「参列」とは、「式や行事に参加すること」という意味の言葉です。「起工式には工事関係者が全員参列した」「同僚の結婚式に参列するつもりだ」「葬儀の参列者には、そうそうたる顔ぶれが並んでいた」のように使われます。
「参列」の「列」は、前述のように「つらなる」の意味があります。一方「参」の字は、「頭上の三星」「密度が高い」の象形から成り、「加わる」「参加する」などの意味を持ちます。
「列席」とは、「行事等に参加する」という意味では違いはありません。しかし、前述のように立場の違いによって使い分けるのが一般的で、「参列」の場合は参加者側が使う言葉となっています。やはり結婚式であれば、主賓など招待された側が、「参列させていただきます」などのように用います。
出席とは
「出席」とは、「会合や授業などに出ること」という意味の言葉です。人が集まる会や、学校の授業などの場に加わることを言います。「町内会に出席しなくてはならない」「授業の出席日数が足りない」のように使われます。
「出席」の「席」は、前述のように「しきもの」を表す字ですが、「会場」の意味もあります。「出」の字は、「足がくぼみから出る」象形から成り、「でる」の意味を持ちます。
「出席」の意味は、「参列」と基本的に違いはありません。どちらも自分の席が用意されている場に参加することを指しますが、「参列」の方がより丁寧な表現にあたります。しかし、「参列」は場合によって葬儀をイメージさせることもあるため、結婚式では無難な「出席」を使うことも多くなっています。
臨席とは
「臨席」とは、「会や式典などに出席すること」という意味の言葉です。「今日の式典には議員が臨席する予定だ」「知事の臨席は急遽とりやめになった」のように使われます。
「臨席」の「臨」という字は、「のぞきこむ人」などの象形から成り、「のぞむ」「見下ろす」の意味を持ちますが、「直接その場に出向く」の意味もあります。
「臨席」と「列席」の違いもまた、微妙なところです。どちらも主宰者側によって使われますが、「臨席」の語は一般的に、特に身分の高い人に対して使われる点が異なります。もともとは皇族に対して使われていましたが、現在は国会議員や知事などの人に対し、「ご臨席賜りますようお願い申し上げます」のように使われます。
陪席とは
「陪席」とは、「身分の高い人と同席すること」という意味の言葉です。目上の人に従って、会に同席することを言います。読み方は「ばいせき」で、「晩さん会に陪席する」「陪席の栄に浴する」のように使われます。
「陪席」の「陪」という字は、「丘」「倍になる」の象形から成り、「二重の丘」を意味します。そこから「かさなる」の意味で使われるようになりましたが、「付き従う」「お供」などの意味もあります。
このように、「陪席」は「列席」や「臨席」などとは意味が微妙に違います。「陪席」の場合、「目上の人に同席する」という点にポイントが置かれているのが特徴です。
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