一般常識
「精細」「精彩」の意味と違い
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「精細」「精彩」の意味と違い
日本語には同音異義語が多いという特徴がありますが、「精細」と「精彩」もその一種です。この2つは意味合いは全く異なりますが、読みや字の一部が共通していることもあって、使い方を混同してしまうことが少なくありません。「“せいさい”を欠く」という表現も、間違った字を当てはめているケースがたまに見られます。こうした間違いを防ぐには、それぞれの正しい意味を知っておくことが必須になります。
今回は、「精細」と「精彩」の意味や違いについて解説していきますので、両者を使い分ける際の参考にしてみてください。
「精細」
「精細」とは、「くわしくてこまかいこと」という意味の言葉です。細部にまで注意が行き届いていることや、そうしたさまについて言います。「今回のトラブルについて精細な調査を行う」「自治会の活動についての精細な会計報告が行われた」「A氏のグループが手がけた研究は、きわめて精細なものだった」のように使われます。「精細」の「精」と「細」は、この場合どちらも「こまかい」「くわしい」といったことを意味しています。
「精彩」とは読みは同じですが、上記のように意味合いは全く違います。「精細」は調査や描写などがこまかいことについて言う際に使われる言葉で、「あでやか」や「生き生きしている」といった意味合いを表す際には使われません。ですので、「精細を欠く」や「精細を放つ」といった表現は、間違いということになります。
「精彩」
「精彩」とは、「美しいいろどり」「鮮やかなつや」といった意味の言葉です。「精彩に富んだ色調」や「絵に一層の精彩が加わった」のように使われます。また、「生き生きとした感じ」や「活気ある姿・ようす」の意味もあり、この場合は「彼女は他の人とは違う精彩を放っていた」「彼の話し方は精彩に欠ける」のように使われます。「精彩」の「彩」の字は、「美しいいろどり」や「ひかり」「つや」といった意味を表しています。
「精彩」と「精細」は、上記のように全く意味が違います。「精彩」はいろどりが美しいことや、表情などが生き生きとしていることについて使われる言葉で、「こまかい」や「くわしい」といった意味は表しません。ですので、「ぱっとしない・冴えない」という意味の「“せいさい”を欠く」という表現は、「精彩」を使うのが正解になります。
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