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一般常識

「逝去」「崩御」「薨御」「薨去」「卒去」の意味と違い

「逝去」「崩御」「薨御」「薨去」「卒去」の意味と違い

「逝去」「崩御」「薨御」「薨去」「卒去」の意味と違い

「逝去」「崩御」「薨御」「薨去」「卒去」の5つは、いずれも人の死に対し敬意を表すための言葉です。なじみ深いものからそうでないものまでありますが、一体どのように使い分けられているのでしょうか。

今回は、これら5つの言葉の意味や違いについて、詳しく解説していきましょう。

「逝去」とは

逝去

「逝去」とは、「他人に敬意を表し、その人が死ぬことを言う言葉」の意味になります。「ある人が亡くなること」の尊敬語にあたる言葉です。読み方は、「せいきょ」になります。
「恩師が逝去されたとの知らせが、たった今入った」「作家の○○氏が、今朝逝去されたそうだ」のように使われます。

「逝去」の「逝」の字は、「目の前から離れて行く」を表しますが、この場合は「死ぬ」の意味になります。「去」の字は、「ある場所から遠ざかる」や「消える」を意味します。

「崩御」などとの違いは、「身分に関係なく使える」という点にあります。なお、「逝去」は他人に対して使う言葉であり、身内や同じ会社の人間に対して使うのは間違いなので、この点も要注意です。

「崩御」とは

崩御

「崩御」とは、「天皇・皇后・皇太后・太皇太后を敬い、その死を言う語」のことです。また、国王や皇帝などの死に対しても使われます。読み方は、「ほうぎょ」になります。「明治天皇の崩御」「○○国王が崩御されたとのニュースが入ってきた」のように使われます。

「崩御」の「崩」の字は、「くずれる」を表しますが、この場合は「国を治める人が死ぬ」の意味になります。「御」の字は、この場合「敬意を表す接尾語」の役割になります。

「逝去」との違いは、「天皇や国王などの死に限定される」という点にあります。人の死についての最上級の尊敬表現であり、特に天皇がなくなる際は、「崩御」を使うのが通常です。一方、皇后など天皇以外の死に対しては、「逝去」を用いる場合もあります。

「薨御」とは

薨御

「薨御」とは、「親王・女院・摂政・関白・大臣などの死去すること」という意味の言葉です。読み方は、「こうぎょ」になります。「親王」とは「皇孫男子の称号」のことで、皇太子や皇孫などを指します。使い方は、「護良親王の薨御」のようになります。

「薨御」の「薨」の字は、「身分の高い人の死」を意味しています。日本においては、皇族などの死について使われます。「御」は「崩御」の場合と同様に、「敬意を表す接尾語」になります。

「薨御」と「崩御」は、どちらも皇族などに対して使われる点で共通しますが、亡くなった方の立場によって使い分けられます。「崩御」が主に天皇に対し使われるのとは違い、「薨御」は皇太子や大臣に使われるのが特徴です。
ただ、現在では後述の「薨去」の方が使われる機会が多くなっています。

「薨去」とは

薨去

「薨去」とは、「皇族または三位以上の貴人が死去すること」という意味の言葉です。読み方は、「こうきょ」になります。「三位(さんみ)」とは、日本国家における個人の位付けの1つで、「正三位」「従三位」の2種類があります。「皇太子妃が薨去された」のように使われます。

「薨去」と「薨御」は、どちらも律令制下の日本で、皇族など身分の高い人の死に対して使われていました。ただ、「薨御」が皇太子や大臣などについて使われたのに対し、「薨去」は皇太子妃や親王・内親王、あるいは三位以上の者に対し使われたという違いがあります。

また、「薨御」が現在はほとんど使われないのに対し、「薨去」は戦後も公文書において、皇族や外国の王族の死に対して使われるケースが見られます。

「卒去」とは

卒去

「卒去」とは、「身分のある人の死」を意味する言葉ですが、特に律令制においては、四位(しい)・五位(ごい)や無位の皇族(王や王女など)の死に対して使われていました。読み方は「しゅっきょ」が正式なもので、「そっきょ」は慣用読みになります。「長門で卒去した錦小路頼徳」のように使われます。

「卒去」の「卒」の字は、「終わる」や「兵士」を表しますが、日本では独自に「四位・五位の人などが死ぬこと」という意味が含まれるようになりました。

「卒去」はこのように、皇族のうち王や王女、四位・五位の者の死について使われる点が、「崩御」や「薨御」などとの違いになります。ただ、こちらも律令制下の用語であり、現在はほとんど使われていません。