一般常識
「枚」「通」「部」「式」の意味と違い
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枚・通・部・式の意味と違いとは
仕事や日常生活ではさまざまな書類を扱いますが、これらの書類を数える単位には、「枚」や「通」「部」などいろいろな種類があります。ところでこれらの語は、それぞれどんな場面で使うのが正しいのでしょうか。実は良く知らないという人も少なくないでしょう。
そこで今回は、「枚」「通」「部」「式」の意味と違い、使い分けのポイントなどについて解説したいと思います。
枚とは
「枚」とは、数の単位を表す助数詞の一種です。主に紙や皿、板といった平たいものを数える際に使われます。具体的には、「お皿の枚数が足りない」「1万円札が10枚ある」「CDを5枚買った」のように使われます。
「枚」はこの他にも、魚や相撲の番付、田畑の区画、浄瑠璃などにおける太夫や唄方の人数、大判金など近世の貨幣の単位としても使われます。例えば、「ヘラブナを2枚釣った」「番付が三枚上がった」「一枚の田を植える」といった具合です。
「枚」の字は、「木」「手にムチを持つ」の象形から成っています。そこから「手にするムチ」の意味が生まれましたが、別の意味が派生して、「平たいものを数えるための語」として使われるようになりました。
「通」などとの違いや使い分け方については、以下で見てみましょう。
通とは
「通」は、名詞として「趣味などにくわしいこと」の意味もありますが、助数詞として使われる場合には、「手紙などを数える際の単位」という意味合いがあります。手紙のほかには証文、届け書などの単位としても使われます。「手紙を1通届けてほしい」「戸籍抄本が2通必要だ」のように使われます。
「通」の字は、「行く」と「筒のように中が空洞」の象形から成っています。そこから「(障害物がなく良く)とおる」の意味で使われるようになりましたが、手紙などを数える語としての用法も派生しました。
ビジネスで「枚」と「通」を使い分ける際は、「枚」は領収書など1枚で完結するものについて使い、「通」は案内状など、手紙としての要素を持つものについて使うという違いを踏まえると便利です。
部とは
「部」にもさまざまな意味合いがありますが、助数詞としては、書物や新聞などを数える際に使われます。「この本は50万部のベストセラーだ」「1部三冊からなる本」「売店で新聞を1部買った」のように使われます。
「部」という字は、「分ける」「村」の象形から成っており、「統括する」「区分する」の意味を持ちます。そこから数の単位としても使われるようになりました。
「枚」や「通」との使い分けでは、主に書籍などの出版物に対して使うのがポイントとなります。ですので、「1枚の本」や「5通の新聞」などという使い方は、間違いということになります。また、ビジネスの場合は提案書やパンフレットなど、複数枚から成る文書を指して「部」と数えるようになっています。
式とは
「式」は、「一定のやり方、作法」などの意味を持つ語ですが、「ひとそろい」の意味で「一式」と使われることもあります。この場合は、「書類一式」「道具一式」のように使われます。
「式」の字は、もともとは「安定した杭」の意味を持つ漢字でしたが、そこから派生して「手本とすべきもの」の意味が生まれ、「規格」の意味でも使われるようになりました。
このように、「式」はものの単位というより、「ひと括り」の意味合いで使われる語です。そのため、「2式」や「3式」といった使い方は間違いとなります。また、「通」や「部」は同じ種類の書類を指すのに対し、「式」は数種類の異なる書類のまとまりを指すという違いも、使い分けのポイントとなります。
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