一般常識
「参照」「参考」「引用」の意味と違い
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「参照」「参考」「引用」の意味と違い
「次ページの表を参照のこと」などのように、「参照」という言葉はレポートや論考などでよく使われるものです。一方、「参考」や「引用」の語も、やはり同じような場面で見かけることが多くなっています。これらはいずれも「他の文章やデータなどを使う」という点で共通し、区別が難しい面がありますが、どういった部分で使い分けられるのでしょうか。
今回は、「参照」「参考」「引用」の意味と違いについて解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
「参照」とは
「参照(さんしょう)」とは、「他のものと照らし合わせてみること」という意味の言葉です。ある物事を、他の物事と照らし合わせ、見比べることについて言います。類語には、「参看(さんかん)」があります。「先行する研究論文を参照する」「古地図を参照しながら散歩する」「さまざまなデータを参照した結果、予測はほぼ確実との結論に達した」などのように使われます。
「参照」の「参」は「比べ合わせる」を、「照」は「てらしあわせる」を意味する漢字になります。
「参照」と「参考」は、重なる部分が多い言葉です。辞書での「参照」の説明でも、「照らし合わせて参考にすること」と書かれています。ただ、「参照」の方は、主に図表や書籍などの文書(文献)にあたる行為を指し、「資料と照らし合わせる」という部分に比重を置く点で、「参考」と使い分けることができます。
「参考」とは
「参考(さんこう)」とは、「いろいろ他のものと引き比べて、自分の考えを決める手がかりにすること」という意味の言葉です。また、その手掛かりについても言います。「さまざまなアーティストの作品に触れることは、絵を描く上でとても参考になる」「参考のために君の意見を聞いておきたい」「この本を書くにあたり、膨大な量の参考文献を読み込んだ」などのように使われます。
「参考」と「参照」は、「他のものと引き比べる」という点で共通しますが、意味のポイントの置きどころは微妙に違います。「参照」が前述のように、「照らし合わせる」点にポイントを置くのに対し、「参考」は「自分の考えを決める」点にポイントが置かれています。また、「参考」の場合は文書や文献に限らず、漠然とした意見や考えなどを含める点も、「参照」との違いに挙げられます。
「引用」とは
「引用(いんよう)」とは、「他人の言葉や文章を、自分の話や文章の中に引いて用いること」という意味の言葉です。「彼はよく会話の中で、シェイクスピアの台詞を引用する」「偉人の名言を引用するのは、スピーチでよく使われるテクニックだ」「画像や文章を引用する際は、きちんとルールを守らなくてはならない」などのように使われます。
「引用」と「参照」「参考」は、ある目的のために他人の文章などを利用する点で共通しますが、具体的な行為は違います。「参照」「参考」が「引き比べて照らし合わせる」行為を指すのに対し、「引用」は「言葉や文章の中で、そのままの形で取り入れる」行為を指すようになっています。ですので、重要な材料となった文献などでも、具体的な内容が引かれていなければ、「引用」にはあたりません。
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