一般常識
「先触れ」「前触れ」の意味と違い
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「先触れ」「前触れ」の意味と違い
「事前の通知」といった意味を表す言葉にはいくつかの種類がありますが、「先触れ」もその1つです。「先触れを出す」などと使われますが、これとよく似た字面で使用場面も共通する言葉に、「前触れ」というものもあります。この2つの言葉はあまりに酷似していることから、何か違いがあるのか気になるところですが、実際のところどうなのでしょうか。
今回は、「先触れ」と「前触れ」の意味や違いについて解説していきますので、両者の使い分け方が知りたい方は参考にしてみてください。
「先触れ」
「先触れ(さきぶれ)」とは、「あらかじめ触れ知らせること」という意味の言葉です。また、「後から来る物事を感じさせるもの」の意味も持ちます。「触れ」はこの場合、「告げ知らせること」の意味になります。「この雷はおそらく梅雨の先触れだ」「先触れを出さずに訪問したものだから、先方を驚かせてしまった」などのように使われます。
「先触れ」には、室町から江戸時代にかけて使われていた古い意味合いもあります。こちらの場合、「武将や官人などの旅行に際し、前もって沿道の宿駅に休泊などを準備させていたこと(またはその命令書)」の意味になります。
「先触れ」と「前触れ」はほとんど同じ意味の言葉と言ってよく、大抵の場合どちらを使っても文意に違いは生じません。ただ、「先触れ」には「位の高い人が旅行する際、宿駅に出していた準備の命令」の意味があることに関しては、細かい使い分けのポイントとなります。
「前触れ」
「前触れ(まえぶれ)」とは、「前もって告げ知らせること」「事前に通告すること」を意味する言葉です。「予告」と同義で、「まえじらせ」とも言われます。「彼はいつも前触れなく私の前に現れる」「前触れの連絡通り、彼女は指定の場所で待っていた」「きちんと前触れしてから相手を訪問するのが、社会人としてのマナーだ」などのように使われます。
「前触れ」はまた、「何か事が起こるのを予想させるような出来事」の意味も持ちます。この場合は「前兆」と同義で、「変わった形の雲が現れるのは地震の前触れとも言うが、科学的な根拠はない」などのように使われます。
「前触れ」と「先触れ」は、上で述べたようにほぼ同じ意味の言葉で、多くの場合で言い換えが成立します。ただ、「前触れ」には「予告」「前兆」以外の意味がないことと、一般的には「前触れ」の方が広く使われている点は、両者の違いに挙げられます。
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