一般常識
「再任」「留任」「続投」の意味と違い
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「再任」「留任」「続投」の意味と違い
「再任」や「留任」、「続投」という言葉は、内閣改造や政権交代などに伴いよく聞くものです。いずれも、以前と同じ人物が同じ役職で登用される際使われるようになっていますが、それぞれの意味に違いなどはあるのでしょうか。明確な使い分けが可能かどうかが気になるところです。
今回は、「再任」「留任」「続投」の意味や違いについて解説していきますので、この3語の使い分けについて知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
「再任」とは
「再任(さいにん)」とは、「再び前の役目などに任ぜられること」という意味の言葉です。ある職務を行っていた人物が、もう一度同じ職務に就くことを言います。「議長にはA氏が再任された」「株主総会でB氏の取締役再任が決まった」などのように使われます。
「再任」の「再」は「ふたたび」「二度」「また」といった意味を表します。「任」の字は、「仕事」「つとめ」「役目につける」などの意味を持ちます。
「再任」と「留任」の違いはあいまいで、同じ場面で使われるケースも少なくありません。
ただ、連続性の点で区別することも可能です。「留任」は、そのままの形で同じ職務に就きなおすことを指しますが、「再任」の場合は「以前と同じ職務に就く」というだけで、任期や体制が連続しているかどうかは問わない点が特徴となっています。
「留任」とは
「留任(りゅうにん)」とは、「もとの役目のまま留まること」という意味の言葉です。転任や退職などの過程を経ず、以前と同じままの役職を続けることを言います。「今度の内閣改造では、5人の閣僚が留任となった」「会長は一時退任の意向を示していたが、周囲の説得により留任する運びとなった」のように使われます。
「留任」の「留」という字は、「とどまる」や「後に残る」などの意味を表します。
「留任」と「再任」は、上記のように、厳密には「連続性」の点で区別できます。「留任」は「再任」と違い、断絶を設けずに同じ職務を続ける場合にのみ使われる言葉となっています。この点では、政権交代も一種の断絶にあたるので、同じ閣僚が残る場合も「再任」を使うのが適切と言えます。
ただ、これも前述のように、一般的にはどちらも同じ意味で使われることが多く、それほど細かい使い分けはされていないのが実情です。
「続投」とは
「続投(ぞくとう)」とは、「野球の試合で、投手が交代しないまま引き続いて投球すること」を意味する言葉です。ピンチやアクシデントなどの試合の節目でも、それまで投げてきたピッチャーにマウンドを任せることを言います。「ランナー2、3塁の場面だが、監督は信頼してそのまま続投させた」のように使われます。
「続投」はまた、上の意味から派生して、「交代せずに役目や職を続けること」という意味も持ちます。この場合は、「党の幹事長はC氏が続投することになった」のように使われます。
「続投」は、「これまでの職務に引き続き留まる」という意味を持つ点で、「留任」と違いはありません。ただ、「続投」の場合は元が野球用語であるため、ややくだけたニュアンスを持つ点が特徴です。そのため、あらたまった場面では、主に「留任」の方が使われる傾向があります。
これに対し「続投」は、留任よりも幅広い場面で使うことができます。たとえば映画の続編などで、「監督は前作と同じD氏が続投する」といった具合や「○月で任期満了となる会長職を続投する意向を表明した」といった具合です。
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