社会人のためのビジネス情報マガジン

  • フェイスブック
  • ツイッター
  • RSS

一般常識

「最近」「近頃」「この頃」「昨今」の意味と違い

「最近」「近頃」「この頃」「昨今」の意味と違い

「最近」「近頃」「この頃」「昨今」の意味と違い

時間や時期に関する言葉はいくつもありますが、「最近」「近頃」「この頃」「昨今」の4語も、そうしたものの一種です。これらの言葉は、いずれも現在近くの時間について表す点で共通していますが、細かい違いがないわけではありません。では、具体的にどういった点がことなり、どういう風に使い分けられるのでしょうか。

今回は、「最近」「近頃」「この頃」「昨今」の意味と違いについて解説していきますので、これらの言葉を使い分ける際の参考にしてみてください。

「最近」とは

最近

「最近(さいきん)」とは、「現在より少し前のある時」という意味の言葉です。また、「少し前から現在までの間」についても指します。「彼女とはつい最近会ったばかりだ」「そのことについては最近気づいた」「あんなに遊びまわっていた彼も、最近はおとなしくしているようだ」のように使われます。

「最近」はまた、「(距離が)もっとも近いこと」の意味も持ちます。この場合は、「太陽系に最近の恒星」のように使われます。

「近頃」「この頃」との違いは微妙で、「現在を含む近い過去」の意味では、基本的に共通して使うことができます。「最近はジムに行っていない」のように否定形で使う際も同様ですが、この場合「最近」の語は、該当する時間的な幅が最も長いという特徴を持ちます。

一方、「最近仕事に就いた」のように、現在に近い過去の特定時点を指す場合は、「近頃」や「この頃」よりも「最近」が表現としてもっともなじみやすくなっています。

「近頃」とは

近頃

「近頃(ちかごろ)」とは、「近い過去から現在までを漠然と指す語」という意味の言葉です。「近頃は物忘れが多くて嫌になる」「近頃彼から連絡がない」「近頃の若者は出世に興味がないという」などのように使われます。

「近頃」と「最近」「この頃」は、上で述べたように、基本的に違いはありません。辞書でも、「近頃」の説明で「最近」「このごろ」と書かれています。ただ、それぞれに微妙なニュアンスの差はあります。

たとえば否定形で使う場合、「最近」がもっとも表す時間的な幅が長いと述べましたが、その次に長いのが「近頃」になります。また、「現在に近い過去の特定時点」を指す場合には、「近頃」はそれほどなじみが良くなく、「最近」に比べ使われるケースは多くありません。

「この頃」とは

この頃

「この頃(このごろ)」とは、「少し以前から現在までを曖昧に指す語」といった意味の言葉です。「この頃白髪が増えてきた」「この頃は本を読んでも集中できない」「この頃になってようやく仕事の面白さが分かってきた」などのように使われます。

「この頃」「最近」「近頃」は、前述のようにいずれも「現在を含む近い過去」の意味で共通しており、「この頃(最近、近頃)の世相」のように使うことができます。ただ、否定形で使う場合の時間の幅は「この頃」がもっとも短く、「ここのところ」の意味合いが強くなるという特徴があります。

また、「現在に近い過去のある特定時点」を指す場合、「この頃」はほとんど使われない点も異なります。たとえば、「最近入学した」とは言っても、「この頃入学した」とは言わないといった具合です。

「昨今」とは

昨今

「昨今(さっこん)」とは、「きのうきょう」といった意味の言葉です。「昨」の字は「一まわり前の時期」「以前」を意味しており、「昨今」では、「現在に近い過去から、現在を含めて漠然という語」の意味になります。「昨今の世界情勢はますます混迷の度を深めている」「環境問題が抜き差しならない事態となってきた昨今、各国の真剣な取り組みが一層求められている」などのように使われます。

「昨今」と「最近」「近頃」「この頃」は、「近い過去から現在までを指す」という点で共通しますが、実際の使い方には違いがあります。「昨今」の場合、文語的なニュアンスが強いため、文章中か公的な場以外ではあまり使われません。たとえば「最近(近頃、この頃)運動を始めた」とは言っても、「昨今運動を始めた」とは言わないといった具合です。こうした点に気を付けて、これらの語を使い分けるようにしましょう。

「最近」「近頃」「この頃」「昨今」の意味と違い

この記事が気に入ったら いいね!しよう

最新の情報をお届けします