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一般常識

「猜疑的」「懐疑的」「批判的」の意味と違い

「猜疑的」「懐疑的」「批判的」の意味と違い

「猜疑的」「懐疑的」「批判的」の意味と違い

熟語の中には、イメージの近さから区別が容易でないものが、何組も見られます。「猜疑的」「懐疑的」「批判的」の3語も、そうした組み合わせの1つです。いずれも人や物事に対するネガティブな意味合いを持った三字熟語という点で共通しており、印象的には似通って見えます。しかし、実際は明確な違いがあり、はっきりと使い分けることが可能です。

今回は、「猜疑的」「懐疑的」「批判的」の意味や違いについて解説しますので、これら3語の使い分け方が気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。

「猜疑的」とは

猜疑的

「猜疑的(さいぎてき)」は、「猜疑」という熟語に「そのような性質を持ったもの」の意味を持つ接尾語「的」を加えた言葉です。「猜疑」の意味とは、「何か自分の不利になるようなことをするのではないかと思って人を疑ること」というもので、「猜疑の目を向ける」「猜疑心にさいなまれる」などのように使われます。
「猜疑的」という用法はあまり一般的ではありませんが、例文を挙げれば、「彼に対する猜疑的な見方がなくなったわけではない」といった具合になります。

「猜疑的」と「懐疑的」の違いは、「私的な感情」の扱いにあると言えます。「懐疑的」が後述するように、比較的感情面のニュアンスが薄い言葉であるのに対し、「猜疑的」は私的な感情がかなり強い点が特徴となっています。

「懐疑的」とは

懐疑的

「懐疑的(かいぎてき)」とは、「ある事柄に対して疑う傾向にあるさま」という意味の言葉です。また、「疑いを持って物事に接する傾きのあるさま」という意味も持ちます。「Aの提案したプランはずさんな面が目立ち、その効果については懐疑的にならざるを得なかった」「彼女は彼の行った弁明に、最初から懐疑的な態度を示していた」などのように使われます。

「懐疑的」と「猜疑的」の違いは、前述のように感情面のニュアンスにあります。「猜疑的」が私的な感情を押し出した言葉であるのに対し、「懐疑的」は特にそうしたニュアンスを強調していません。感情より「疑う」という行為にフォーカスしている点が、「懐疑的」の特徴になります。

一方、「批判的」との違いは、以下のようなものになります。

「批判的」とは

批判的

「批判的(ひはんてき)」とは、「批判する態度や立場をとるさま」「否定的に批評するさま」という意味の言葉です。「BはCに対し、一貫して批判的である」「D監督の発表した新作映画には、多くの評論家から批判的な声が寄せられた」などのように使われます。

「批判的」と「猜疑的」は、明確に異なる言葉です。「批判的」には、「人を疑る」や「自分の不利になるようなことをするように感じる」といった意味合いはありません。

同様に、「懐疑的」ともはっきり使い分けられます。「批判的」は、ある人や物事の難点に目を向ける立場を取ることで、前述のように「疑い」の意味合いは含んでいません。3つの言葉を使い分ける際は、こうした違いに注意しましょう。

「猜疑的」「懐疑的」「批判的」の意味と違い

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