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一般常識

「流布」「普及」「散布」の意味と違い

「流布」「普及」「散布」の意味と違い

「流布」「普及」「散布」の意味と違い

熟語の中には、イメージが似通っていて使い分けに迷いやすいものが多々あります。「流布」「普及」「散布」の3語も、そうしたグループの中に含まれると言えるでしょう。いずれも何かが広がっていくという点で共通していますが、詳しい意味合いには違いがあり、明確に区別されます。では、その区別のポイントとは何なのでしょうか。

今回は、「流布」「普及」「散布」の意味や違いについて解説していきますので、これらの使い分けが知りたい方は参考にしてみてください。

「流布」とは

流布

「流布(るふ)」とは、「広く伝わること」「世に広まること(または広めること)」という意味の言葉です。「最近はフェイクニュースといった根も葉もないうわさが流布しやすくなった」「こちらのイメージを悪くするような情報を意図的に流布している連中がいる」などのように使われます。

「流布」の「流」は、「水がながれる」を意味する字ですが、この場合は「広める」「伝える」などを意味します。一方「布」の字は、もともと「ぬの」を意味しますが、「敷」と通じて「しく(広く行きわたらせる)」の意味も持つようになりました。

「流布」と「普及」は何かが「広がる(広める)」点で共通しますが、対象となるものの性質は違います。「流布」の場合は、「うわさ」や「思想」などの情報・概念を対象とする点が特徴です。

「普及」とは

普及

「普及(ふきゅう)」とは、「広く行き渡ること」または「行き渡らせること」を意味する言葉です。「インターネットの普及以来、世の中は大きく変化した」「電気製品が一般家庭へ本格的に普及し始めたのは、日本の場合1960年代の高度経済成長期からだ」「残念ながら、再生可能エネルギーの普及はあまり進んでいないのが実状だ」などのように使われます。

「普及」の「普」の字は、「(太陽の光が)広く行き渡る」さまを表し、「あまねく(広く行き渡っている)」を意味します。一方「及」の字は、「およぼす(行き渡らせる)」を意味しています。

「普及」と「流布」の違いは、上で述べたように、対象となるものの性質にあります。「流布」が情報や概念を主な対象とするのに対し、「普及」は「商品」や「設備」などの物理的なモノも含む点が特徴です。また、「普及」にはポジティブな意味合いがあるのに対し、「流布」はネガティブなニュアンスを含む点も、両者の使い分けのポイントとなります。

「散布」とは

散布

「散布(さんぷ)」とは、「ばらまく」や「まきちらすこと」を意味する言葉です。また、「ちらばって存在すること」についても言います。「撒布」と書かれることもありますが、こちらは本来「さっぷ」が正しい読み方になります。「空中から農薬を散布する」「葉に直接肥料成分を与える葉面散布は、即効性が高いのがメリットだ」などのように使われます。

「散布」の「散」は、「ばらばらにする」を意味する漢字ですが、この場合は「ちらす」や「ふりまく」などの意味になります。「布」の字は、前述のように「広く行きわたらせる」「ひろげる」を意味しています。

「散布」と「流布」は、まったく異なる言葉です。「流布」が噂などが世間に広まる(広める)ことを指すのとは違い、「散布」は農薬などをまきちらすことを指しています。「普及」もまた、何かをまきちらすわけではない点で、「散布」と使い分けられます。

「流布」「普及」「散布」の意味と違い

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