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一般常識

「履行」「遂行」「実行」「実施」の意味と違い

「履行」「遂行」「実行」「実施」の意味と違い

「履行」「遂行」「実行」「実施」の意味と違いとは

文章を書いたり、スピーチをする際、意味合いが似ていることで選択に迷う言葉はたくさんあります。「履行」「遂行」「実行」「実施」の4語も、そうしたものの一種でしょう。これらは皆「行う」という意味を含む点で共通していますが、使い分けのポイントはどこにあるのでしょうか。
今回は、この4つの言葉の意味や違いなどについて、詳しく探っていきたいと思います。

「履行」とは

履行

「履行」とは、「決めたことや言ったことなどを、実際に行うこと」という意味の言葉です。何らかのきまりごとや、約束ごとなどを実行することを言います。読み方は「りこう」で、「約束はきちんと履行する」「義務は履行すべきだ」のように使われます。

「履行」はまた、法律用語として「債務者が債務の内容である給付を実現すること」という意味も持ちます。この場合は、「債務を履行する」「債務不履行による損害賠償を請求する」のように使われます。

「履行」の「履」は、「はきもの」を意味する漢字ですが、「実行する」「行う」の意味を持ちます。「行」の字もまた、「おこなう」を意味しています。

「遂行」などとの違いについては、以下の項目で詳しく見ていきましょう。

「遂行」とは

遂行

「遂行」とは、「ものごとを最後までやり通すこと」という意味の言葉です。与えられた任務や仕事を、最後までやりとげることを指します。読み方は「すいこう」で、「任務は必ず遂行する」「業務を滞りなく遂行する」のように使われます。

「遂行」の「遂」という字は、「行く」「したがう」の象形から成り、一定の道筋に従ってことが運び、「なしとげる」ことを意味しています。

「遂行」と「履行」は、大まかな意味合いにおいては違いはありません。しかし、こまかなニュアンスには違いがあります。「履行」はきまりごとや契約などを実行するという「義務」に重点を置いた言葉なのに対し、「遂行」は、任務や業務を「最後までやり通す」という「意志」に重点を置くところが特徴となっています。

「実行」とは

実行

「実行」とは、「実際に行うこと」という意味の言葉です。ある計画や理論などのものごとを、実施に移すことを言います。読み方は「じっこう」で、「綿密に練ったプランを実行する」「いよいよ理論を実行に移す時だ」「彼は口ではやると言いながら、実行する気配が全くない」のように使われます。

「実行」の「実」は、「(屋内に財貨が)ゆきわたる」を表す漢字ですが、「まこと」「本当」の意味もあります。

「実行」と「遂行」はよく似た言葉ですが、次のような点で違いがあります。すなわち、「遂行」が「ものごとを最後までやり遂げる」ことを指すのに対し、「実行」は「実際にてがける」ことを指すという点です。つまり、ものごとを最後まで行った場合は「遂行」を使い、やり遂げたかどうかに関わらず、実際の行動に移した場合は「実行」を使う、という風に使い分けることができます。

「実施」とは

実施

「実施」とは、「計画などを実際に行うこと」という意味の言葉です。読み方は「じっし」で、「閉店セールを実施する」「期末試験を実施する」「都市計画の実施が滞っている」のように使われます。

「実施」の「施」という字は、「次第に進んでいく」「ほどこす」などを表しますが、この場合は「ことを行う」の意味になります。

「実施」と「実行」もよく似た言葉ですが、「実施」は試験や催し事、工事や法律など、行うことで何らかのメリットや効果があるものについてよく使われるという点が、「実行」との微妙な違いとなっています。