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レベニューシェアの意味とは?メリット・デメリット16選

レベニューシェアの意味とは?メリット・デメリット16選
IT業界を中心として広まった言葉は多くありますが、「レベニューシェア」もそうしたものの1つです。簡単に言えば契約形態の一種で、Web開発やアプリ開発などにおいて導入されるケースが多くなっています。とは言え、具体的な意味や、従来型の契約とどう違うのかについては、正直まだよく分かっていない人も多いでしょう。

そこで本記事では、「レベニューシェア」について知りたいという人のために、その詳しい意味やメリット・デメリットについて解説していきたいと思います。

レベニューシェアの意味とは?事例

レベニューシェアの意味とは?

「レベニューシェア」とは、ビジネスにおける契約形態の一種で、「発注側と受注側が利益とリスクを分配しあうモデル」を意味します。一言で言えば、「収益分配型」の契約のことです。
「レベニュー(revenue)」は英語で「収益」を指し、「シェア(share)」は「共有」を指します。
Webサイト制作やシステム開発など、主としてIT関係のビジネスでの採用例が多くなっています。

従来のシステム開発などの契約では、発注者が受注者側に定義した要件の範囲内での開発を依頼して、それに応じた額を支払うのが一般的でした。一方「レベニューシェア」では、最初に開発者側が一定の費用を負担し、成果物を仕上げる仕組みとなっています。その代わりに発注側は、出来上がったシステムから得られる利益のうち一定の割合を、開発者側に都度支払っていくことになります。

レベニューシェアの事例

上の項目で述べたように、レベニューシェアとは簡単に言えば「収益分配型の契約」の意味ですが、今度は具体的な事例から詳しく見ていきましょう。

例えば、あるアパレルメーカーが自社の商品の販売を目的として、ECサイトの立ち上げを考えたとします。この仕事をレベニューシェアで受注した制作会社は、問題のECサイトを無料、もしくは安価で制作します。さらに、作成後の保守作業についても、同様に請け負います。

これだけだと開発者側にとって不利なだけですが、レベニューシェア契約では、その後出来上がったECサイトから得られた収入は、事前の取り決めに応じて一部が開発者に支払われることになります。この際の報酬の決め方については、「売上」に対するパーセンテージで決める場合と、「利益」に対するパーセンテージで決める場合の2種類があります。

メリット

上ではレベニューシェアの意味や事例について見ましたが、具体的にどんなメリットがあるのかについても知りたいところです。以下の項目では、依頼者側・開発者側双方が持つレベニューシェア型契約のメリットについて、主なものをそれぞれ紹介していきましょう。

依頼者側のメリット

初期投資が無償もしくは少なくてすむ

依頼者側にとってのレベニューシェアの一番のメリットは、「初期投資の費用を抑えられる」ということでしょう。上で述べたように、レベニューシェア型の契約では、まず開発者が無料、もしくは安価で成果物を仕上げる仕組みとなっています。そのため、クライアントとしては、初期投資の負担を可能な限り抑えることができます。従来の受託開発では、初期投資が大きくなりがちな点が難点でしたから、レベニューシェアは特に中小企業にとってメリットの多い契約モデルであると言えます。

スピーディーにチャレンジできる

依頼者側にとってのレベニューシェアのメリット、2点目は、「スピーディーなチャレンジが可能」ということです。初期投資の負担が少なくすむぶん、事業のフットワークは軽くなります。新しいビジネスアイデアにチャレンジするハードルが下がり、スピード感を持って行動に移せるようになるでしょう。事業を手がけるにあたり、スピード感がますます求められるようになっている現在では、このメリットは非常に大きな意味があると言えます。

開発者側のモチベーションを維持しやすい

依頼者側のレベニューシェアのメリット、3点目に挙げるのは、「開発者側のモチベーション維持が期待できる」という点です。これも上で述べたように、レベニューシェア型の契約では、開発者は作ったシステムやアプリケーションの収益から一定の割合を報酬として受け取ることができます。つまり、成果物のクオリティが高いほど、継続的に多額の報酬を得る可能性も高くなるということで、開発に際してのモチベーションも上がりやすくなるわけです。

保守も請け負ってもらえる

依頼者側から見たレベニューシェアのメリット、続いて挙げるのは、「開発者に保守・メンテナンスも請け負ってもらえる」ということです。上記のように、レベニューシェア型の契約では、制作会社は開発と同時に保守も担当することになります。システム運用において保守・メンテナンスは、機会損失の発生を防ぐ上で非常に重要な意味合いを持ちます。この点で、システムを熟知する制作会社が保守まで担当してくれることは、大きなメリットと言えるでしょう。

問題発生時のリスクを分散できる

レベニューシェアの依頼者側のメリット、最後に挙げるのは、「問題発生時のリスクを分け合うことで、自社の負うリスクを減らせる」ということです。レベニューシェア型の契約では、利益だけでなく、リスクも共有されます。システム構築やビジネス上において起こるリスクは、開発者側と共通の課題となりますから、お互い協力して解決に取り組んでいくことになります。それにより、従来型の契約に比して、自社が負うべきリスクを低減できるというメリットが得られます。

開発者側のメリット

ストック収入が得られる

ここからは、開発者側から見たメリットを挙げていきましょう。最も大きいのが、「長期的な収入が見込める」ということです。従来型の受託契約の場合、制作会社は、顧客が必要と感じたタイミングでのみ仕事を請け負い、収入を得ることになります。そのため、安定した利益の保証はありません。一方レベニューシェアの場合、サービスの運営が軌道に乗っていれば、開発者は継続的に利益の配分を受けることができるので、収益の安定化につながります。

開発のモチベーションを維持しやすい

これは上の項目でも述べましたが、「開発に対するモチベーションの維持が容易になる」という点も、レベニューシェアの大きなメリットの1つです。すでに説明したように、レベニューシェア型契約では、成果物の品質が開発者の利益に直結します。良いものを作れば、その分受け取る報酬額も多くなる可能性が高いため、開発にかける意気込みが最後まで持続します。また、制作後のシステム運用を共同で手がけることになる点も、開発者のモチベーション維持に役立ちます。

顧客の獲得チャンスが広がる

従来型の受託開発の場合、依頼者側にとって一番のネックとなっていたのは、前述のように初期投資の費用です。実際に、資金調達が難しいとの理由で、開発依頼を断念する企業は少なくありません。しかし、そのようなケースの中にも、とりあえずシステム運用さえ始められれば、事業が軌道に乗る見込みが高い企業も多く存在します。こうした企業に対し、初期コストの低いレベニューシェア型契約のアプローチを行うことで、顧客獲得の機会を広げられるというメリットが得られます。

顧客の予算以上の利益が得られる可能性も

開発者にとってのレベニューシェアのメリット、最後に挙げるのは、「場合によっては顧客の予算以上の利益も望みうる」ということです。従来型の受託開発の場合、開発者が得るのは、提案した範囲のシステム開発に対する報酬に限られます。言い換えれば、顧客の予算を上回る額の売上は、決して見込めないということです。これに対しレベニューシェアでは、開発者の報酬はシステムの運営状況に応じて変動します。つまり、運営が好調ならば、顧客の開発予算を大幅に超える利益を手にすることも可能というわけです。

デメリット

ここまでレベニューシェアのメリットについて見てきましたが、もちろん利点ばかりではなく、デメリットも存在します。ここからは、依頼者側・開発者側双方におけるレベニューシェアのデメリットについて、それぞれの主なものをいくつか紹介していきましょう。

依頼者側のデメリット

開発者との関係次第では、システムの利用ができないことも

まずは依頼者側のデメリットですが、開発者との関係が悪化した場合、その後のシステム利用ができない恐れもあります。従来の契約の場合、開発されたシステムは買い切りになるため、開発者側と関係がまずくなっても、運用をほかの会社に任せて利用を続けることは可能です。しかし、レベニューシェアの契約では、システムの所有権・著作権が開発者側にある場合、合意なしにシステムの利用ができなくなってしまう可能性があります。

単独での意思決定がしずらくなる

依頼者側のデメリット、2点目は、「単独での意思決定がしづらい」ということです。レベニューシェア型の契約は、従来型の契約に比べて、企業間の業務提携の要素が濃いのが特徴となっています。そのため、契約内容にもよりますが、意思決定をする上で開発者側との協議や合意が必要になるケースも少なくありません。これは、リスクを分散する上では便利な仕組みですが、意思決定のプロセスで調整が必要になるという不便さもつきまといます。

意思決定が遅くなる

依頼者側のレベニューシェアのデメリット、続いて挙げるのは、「意思決定のスピードが落ちる」ということです。上で述べたように、レベニューシェア型の契約は業務提携の色合いが強いことから、開発者側との合意によりものごとが進むことが多くなっています。そのため、どうしても意思決定の速度が鈍らざるを得ません。これは、素早い意思決定が求められるような場面では、かなり不利な条件にあたります。ビジネスにはそうした場面が多く見られますから、決して小さくないデメリットと言えるでしょう。

買取開発よりも支払いが多くなる可能性がある

依頼者側のレベニューシェアのデメリット、最後に挙げるのは、「買い切り型に比べて利益が減る場合もある」ということです。上で述べたように、レベニューシェアは「収益分配型」の契約です。1つのサービスから生まれる収益を2者で分け合うのですから、当然得られる利益は、単独運営の場合に比べ減る計算になります。契約期間は場合によって異なりますが、長期に渡る契約なら、その間継続して支払いを続けなくてはなりません。そのため、返って買い切り型契約より恩恵は薄くなる可能性もあります。

開発者側のデメリット

コスト倒れになるリスクも

ここからは開発者側のデメリットですが、まず挙げられるのが、「コスト倒れになる恐れもある」ということです。すでに述べたように、レベニューシェアでは初期投資の全額、もしくは一部を受注者側が負担し、初期構築を行うのが前提となっています。この初期構築に費やされたコストは、その後のサービス運営で得た利益配分によって回収される仕組みですが、このサービス運営自体がうまく行かず、思うような配当が得られない可能性もあります。その場合、報酬がコストを下回る恐れも十分あり得ます。

異業種参入のリスク

レベニューシェアの開発者側のデメリット、2つ目に挙げるのは、「異業種に参入することのリスク」です。レベニューシェアにおけるビジネスは、依頼者の手がける事業に開発者が加わる形となります。依頼者側にとっては専門分野ですが、開発者側にとってはほとんどの場合、未知の事業分野となっています。異業種参入は新しいビジネスチャンスである一方で、経験や知識に乏しいことから、失敗するリスクも少なくありません。そのため、事業計画に対する事前の慎重な確認などが必要となります。

依頼者と共倒れになる恐れも

開発者にとってのレベニューシェアのデメリット、最後に挙げるのは、「場合によっては依頼者と共倒れになる可能性もある」ということです。何度も述べているように、レベニューシェア型の契約では、利益と共にリスクも分け合う形となります。サービス運営が軌道に乗れば問題はありませんが、そうしたケースばかりとは限りません。仮にビジネスがうまく行かなかった場合、失敗のリスクを被るのは、依頼者だけでなく開発者も同様となります。そのため、事業内容については、事前に入念に吟味しておくことが必要となります。