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一般常識

「濫用」と「乱用」の意味と違い

「濫用」と「乱用」の意味と違い

「濫用」と「乱用」の意味と違いとは

「職権を“らんよう”する」という場合の「らんよう」には、どのような漢字があてはまるでしょうか。「濫用」が想い浮かんだという人もいれば、「乱用」と答える人もいるでしょう。果たしてこの2つの表記に違いはあるのか、使い分けることができるのかどうかが気になるところです。

そこで今回は、「濫用」と「乱用」の意味や違いなどについて解説していきたいと思います。

「濫用」とは

濫用

「濫用」とは、「みだりに用いること」という意味の言葉です。あるものを、通常の範囲を超えてむやみに使用することを言います。「職権を濫用する」「カタカナ語を濫用する」「薬物を濫用する」のように使われます。

「濫用」の「濫」という字は、「水」「のぞきこむ」の象形から成っており、「のぞきこむと見える、地中から噴き出す泉」を表しています。ここから「あふれる」「みだれる」を意味するようになりました。

「濫用」と「乱用」は、後述するように、意味に違いはありません。ただ、使われ方には違いがあります。もともと「らんよう」は、「濫用」と書かれていました。「乱用」の表記は後からできたものですが、現在「濫用」が使用されるケースは、法律の分野などに限られています。

「乱用」とは

乱用

「乱用」の意味は、上記のように「濫用」と違いはありません。やはり「一定の限度を超えてみだりに用いること」を表しています。「権力の乱用」「外来語の乱用」のように使われます。

「乱用」の「乱」の字は、「みだれた糸の端」などの象形から成っており、「みだれる」「まとまりをなくす」などを意味しています。

上でも述べたように、「乱用」の表記は「濫用」より後にできたものです。これは、一時期「濫」の字が、当時の「当用漢字」からの削除候補に挙げられたことに関係しています。結果として削除はされず、現在も「常用漢字」に残っていますが、候補に挙がったことでマスコミは代わりに「乱用」という表記を作りました。その名残で、新聞や放送業界では「乱用」の方を多用しています。つまり使い分けとしては、現在は「乱用」の方が一般的で、「濫用」は主に法律関係で使われると覚えるとよいでしょう。

「濫用」と「乱用」の意味と違い

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