一般常識
「落第点」「及第点」「次第点」の意味と違い
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「落第点」「及第点」「次第点」の意味と違いとは
テストなどを受ける際、気になるのが「落第点」についてでしょう。ところで、この「落第点」と字面が似た表現に「及第点」がありますが、両者はどのように異なるのでしょうか。また、「次第点」との違いについても気になるところです。
そこで今回は、「落第点」「及第点」「次第点」の意味や違いについて解説していきたいと思います。
「落第点」とは
「落第点」とは、「落第となる点数」という意味の言葉です。試験などにおいて、合格の基準に達しない点数を言います。読み方は「らくだいてん」で、「テスト勉強をあまりしていないので、落第点を取らないか心配だ」「落第点を取った者は、再試験を受けなくてはならない」のように使われます。
「落」という字は、「おちる」「ぬけおちる」などを意味します。「第」の字は本来「順序」を表していますが、古代中国で官吏登用試験をこう呼んだことから、広く試験一般を意味するようになりました。つまり、「落第」は「試験に落ちる」を意味することになります。
「落第点」と「及第点」は、意味合いは全く違います。「落第点」には「及第点」のような、「合格ラインの点数」という意味はありません。
「及第点」とは
「及第点」とは、「試験や審査などにおいて、合格できる最低点」という意味の言葉です。それ以上の点を取れば合格という、最低ラインの点数を指します。読み方は「きゅうだいてん」で、「ギリギリ及第点に達していた」「及第点にあと2点足りなかった」のように使われます。
「及第」の「及」という字は、「およぶ」「追いつく」「至る」「届く」などの意味を持ちます。「第」は上記のように「試験」を表すので、「及第」は「試験の合格点に届く」を意味することになります。
「及第点」と「落第点」は、このように意味合いが全く違います。「落第点」が「合格の基準に達しない点数」を指すのに対し、「及第点」は「合格できる最低点」を指しています。使い分ける際は、「及第」と「落第」の意味の違いを踏まえるようにしましょう。
「次第点」とは
「次第点」という言葉はたまに使われますが、実際にはこういった言葉は存在しません。「次第」は「ものごとが行われる場合の一定の順序」といった意味の言葉で、「点」は「試験の得点」を指します。つまり、これらを合わせても、熟語として全く意味をなさないことになります。事実、「次第点」という言葉は、どの辞書にも記載されていません。
「次第点」という言葉が登場した詳しい理由は不明ですが、「及第点」の読み間違いに由来していると言われています。「及第」を「しだい」と誤読する例が広まり、やがてそれに「次第」の表記が当てられるようになったというものです。実際の使われ方も、「及第点」と似た意味のケースが多くなっています。いずれにしろ、「次第点」という言葉は完全な間違いなので、くれぐれも使わないように気をつけましょう。
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