HOME>ビジネス用語>「プロダクトアウト」の意味とは?使い方や例文

ビジネス用語

「プロダクトアウト」の意味とは?使い方や例文

「プロダクトアウト」の意味とは?使い方や例文

「プロダクトアウト」の意味とは?使い方や例文

「プロダクトアウト」という言葉は、社会人ならどこかで一度は耳にしたことがあるかもしれません。マーケティング用語の1つですが、実のところあまり詳しい意味を知らないという人も多いと思います。

今回は、「プロダクトアウト」の意味や使い方などについて紹介していきますので、職場で使う際の参考にしてみてください。

「プロダクトアウト」の意味とは

「プロダクトアウト」とは

「プロダクトアウト」とは、販売戦略の一種で、「企業側の思想や技術などを主軸として、製品やサービスを売り出すこと」を意味します。製品ありきの販売戦略のことで、自社の強みを生かした製品づくりを指して使われます。簡単に言えば、「モノを作ってから売り方を考え出す」アプローチになります。大量生産の時代によく行われた方式ですが、現在では市場のニーズとズレが生じやすいなど、マイナス面も多く指摘されるようになっています。

「プロダクトアウト」の具体例

「プロダクトアウト」の具体例として挙げられるのが、SONYの「ウォークマン」です。これは顧客のニーズに基づいて作られたわけではなく、SONY独自の技術やアイデアを前提として生み出されました。実際に、それまで「音楽を外に持ち歩く」という発想はほとんど存在しませんでしたが、「ウォークマン」の登場によってニーズが顕在化し、一気に広まったという経緯があります。

同様に、Appleの「iPhone」も、「プロダクトアウト」の典型例と言えます。それまで携帯電話と言えば、物理的なボタンで操作する方式が主流でしたが、「iPhone」におけるタッチスクリーン操作は、その概念を覆しました。また、シンプルで美しいデザインや、アプリをインストールすることで機能を拡張する方式も、従来の発想と全く異なるものでした。しかし、「iPhone」登場以後はそれが常識となり、誰もがスマートフォンを携帯する状況となっています。

「プロダクトアウト」の由来

「プロダクトアウト」という言葉は、和製英語です。後述する「マーケットイン」と共に、1980年代の日本で生み出された概念になります。「プロダクト」は「製品」を指し、「アウト」は「出ていく」や「(外へ)伸びて」などを指します。英語表記だと「Product out」となりますが、こうした表現は本来の英語にはありません。英語で同様の意味を表す場合は、「product-oriented」が正しい表現になります。

「プロダクトアウト」の使い方・例文

上では「プロダクトアウト」の意味について見ましたが、実際の使い方はどういったものなのでしょうか。この項目では、ビジネス用語としての「プロダクトアウト」の用法について、例文を挙げて見ていきましょう。

例文:「プロダクトアウトによる製品作りで、潜在的なニーズが掘り起こせた」

例文:「今までプロダクトアウト的な発想に偏っていたが、方針を見直すべきかもしれない」

例文:「“プロダクトアウト”イコール“顧客を無視した独善的な手法”という考えは、決して正しくない」

「プロダクトアウト」と「マーケットイン」

「プロダクトアウト」を語る際よく引き合いに出されるのが、「マーケットイン」という言葉です。ここでは、「マーケットイン」の意味と「プロダクトアウト」との違いなどについて見ていきましょう。

「マーケットイン」とは

「マーケットイン」とは、「顧客の意見やニーズを優先して製品・サービスを作ること」という意味の言葉です。

そもそも「プロダクトアウト」や「マーケットイン」という概念は、上で述べたように、1980年代に作られたものです。この時代の日本は高度経済成長の終焉に直面し、大量生産による供給過剰のせいで、市場が飽和する状態となっていました。経営者の多くは、そうした状態からの脱却を図るため、「消費者のニーズに合わせた製品開発」へと事業方針をシフトします。こうした方針が、後に「マーケットイン」と名付けられ、さらにそれと対になる概念として、企業優先の販売方針を「プロダクトアウト」と名付けたという経緯があります。

「プロダクトアウト」と「マーケットイン」の関係

上で見たように、「プロダクトアウト」と「マーケットイン」は、互いに対になる概念です。「プロダクトアウト」は、大量生産時代の企業中心の方針に基づくもので、「マーケットイン」は、その反対の消費者中心の方針に基づきます。「マーケットイン」が登場したのは、「プロダクトアウト」的な方針が行き詰まったためであり、現代的な基準では、「マーケットイン」を重視すべきだというのが近年の風潮です。

ただ、実際にはそれほど単純なものではありません。「プロダクトアウト」にはデメリットもありますが、現代でも通用する部分が多くあります。実際に、先に挙げた「iPhone」は「プロダクトアウト」の典型例であり、「マーケットイン」的な発想では生まれない製品となっています。

最後に

ここまで「プロダクトアウト」の意味や使い方などについて、例文を交えつつ紹介してきました。
このように、「プロダクトアウト」は「企業の技術や思想を優先した販売戦略」を指す言葉として、「マーケットイン」と共にビジネスシーンではよく使われています。どちらかというとマイナス面が強調されることが多くなっていますが、現代でも有効な部分が多いので、紹介したような内容はしっかり踏まえておきましょう。