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一般常識

「押す」「推す」「捺す」の意味と違い

「押す」「推す」「捺す」の意味と違い

「押す」「推す」「捺す」の意味と違い

「押す」「推す」「捺す」は、どれも「おす」と読む言葉です。しかし読みは同じでも、それぞれ表すところは異なっています。では、具体的にはどのような違いがあるのでしょうか。間違って使わないためにも、個々の詳しい意味合いを知っておきたいところです。

今回は、「押す」「推す」「捺す」の意味と違いについて解説していきましょう。

押すとは

押す

「押す」の大まかな意味合いは、「手や指などである部分に力を加える」というものです。例えば「ボタンを押す」という場合には、ある機械のボタンに指などを当て、力を加えて降下させることで、特定の機能を働かせることを指します。また「押す」には、「何かの後ろから力を加え、前に動かす」という意味合いもあり、この場合は「乳母車を押す」「自転車を押す」のように使われます。さらに「上から重みを加える」「印などを上から当て、写す」「優位に立つ」などの意味合いでも使われます。

「押す」の「押」という字は、「手」「亀の甲羅(“覆う”を意味する)」の象形から成っています。そこから「おおう」「おす」などの意味合いで使われるようになりました。

「推す」などとの違いについては、以下で見ていきましょう。

推すとは

推す

「推す」は「押す」と同じ語源の言葉ですが、使われ方は違います。「推す」の主な意味合いは、「すすめる」というものです。具体的には、「生徒会長に推す」や「入選作品に推す」のように、ある立場・地位にふさわしいと思う人物やものを、周囲にすすめることを指します。また、「おしはかる」の意味合いもあり、この場合は「その口ぶりから推すと、うまくいかなかったようだね」のように使われます。さらに「もう少し推して探るべきだ」のように、「追究する」の意味合いで使われることもあります。

「推」の字は、「手」「出る」の象形から成っており、そこから「おしだす」「おす」を意味する漢字として成り立ちました。

このように、「推す」は「推薦」や「推量」などの意味合いで使われる点が、「力を加える」を表す「押す」との違いになります。

捺すとは

捺す

「捺す」の基本的な意味合いは、「押す」と違いはありません。やはり「おさえつける」などを意味する言葉となっています。しかし、一般的な使われ方には違いがあります。「捺す」が使われるのは、「印鑑を捺す」「スタンプを捺す」などのように、印や型などを上から当て、何かに写す場合がほとんどです。「捺印」などと同じ使い方になります。

「捺」の字は、「5本指の手」と「おす」を表す象形から成っており、そこから「おさえつける」を意味する漢字となりました。

このように、「捺す」の意味合いは限定的で、「捺印」などのほかにはあまり使われません。また、「捺」の字が常用漢字表に含まれないことから、「捺印」の意味でも「押」の方を使うことが多くなっています。