一般常識
「押し迫る」「押し詰まる」の意味と違い
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「押し迫る」「押し詰まる」の意味と違い
一年が終わりに近づく12月末ごろになると、毎年同じようなフレーズを聞くようになります。「暮れが押し迫る」というのもその1つですが、これと微妙に異なる表現で、「暮れが押し詰まる」というものを聞く場合もあります。どちらも耳なじみのある表現ですが、一体どちらが正しいのでしょうか。また、「押し迫る」と「押し詰まる」は使い分けられるのかどうかも知りたいところです。
今回は、「押し迫る」と「押し詰まる」の意味や違いについて解説していきますので、2つを使い分ける際の参考にしてみてください。
「押し迫る」
「押し迫る(おしせまる)」とは、「間近にせまる」という意味の言葉です。あることや時期が目前に迫ってきた様子を指し、「締め切りが押し迫るにつれて、だんだん焦りが募ってきた」「暮れも押し迫ったこの時期に、のんびりしている人間は少ない」などのように使われます。
「押し迫る」の「押し」は、この場合接頭語として、下に付く動詞の意味を強める働きを持ちます。「迫る」は、「接近する」などを意味する語です。
「押し詰まる」とはほとんど同じ意味を持ちますが、辞書の用例では細かい部分で違いがあります。「押し詰まる」については後述しますが、「押し迫る」の表現は、「特定のポイントに近づく」というニュアンスが強い点が特徴です。そのため、「暮れ」や「年の瀬」といった特定の期限について使う際は、「押し迫る」を使うのが適していると言えます。
「押し詰まる」
「押し詰まる(おしつまる)」とは、「事態が差し迫る」「切迫する」という意味の言葉です。「情勢はどんどん押し詰まってきており、予断を許さない」のように使われます。また、「年の暮れに近づく」の意味もあり、この場合は「今年もいよいよ押し詰まってまいりました」のような使われ方をします。
「押し」は、前述のように下の語を強調する接頭語で、「詰まる」はこの場合、「日数などが少なくなる」の意味になります。
「押し詰まる」と「押し迫る」は、どちらも「一年の残り時間が少ない」という意味で使われる点で違いはありません。ただ、上でも述べたように、両者のニュアンスには微妙に異なる部分があります。辞書の用例の使われ方を見ると、「押し詰まる」には「ある期間のゆとりがなくなる」というニュアンスが見られます。ですので、「今年」などのように幅のある期間を表す語について使う場合には、「押し詰まる」の方が適していると言えます。
一般的には特に区別されないケースも多くなっていますが、細かく使い分けるなら、こうした点を踏まえておくと良いでしょう。
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