一般常識
「猛暑」「酷暑」「激暑」「炎暑」「極暑」の意味と違い

スポンサーリンク
「猛暑」「酷暑」「激暑」「炎暑」「極暑」の意味と違いとは
夏の盛りによく使われる言葉に、「猛暑」や「酷暑」といったものがありますが、ほかにも似たような言葉として、「激暑」「炎暑」「極暑」といったものがあります。この5つの言葉は、一体どのように違うのでしょうか。個々の使い分けができるかどうかが知りたいところです。
そこで今回は、これら5つの言葉について、それぞれの意味や違いなどについて解説していきたいと思います。
「猛暑」とは
「猛暑」とは、「激しい暑さ」という意味の言葉です。気温がいちじるしく高いことで、文字通り「猛烈な暑さ」を言います。読み方は「もうしょ」で、「この夏は異常な猛暑だった」「猛暑で外に出るのがおっくうだ」「こう猛暑続きだと、熱中症対策が欠かせない」のように使われます。
「猛暑」の「猛」の字は、「ののしる犬」を表しており、「たけだけしい」「きびしい」の意味を持ちます。「暑」の字は、「太陽がものを煮るほどあつい」という意味を表しています。
「猛暑」という言葉自体に「何℃以上」という数値の定義はありませんが、「猛暑日」は「日中の最高気温が35℃以上の日」と、気象庁によって定められています。一方「酷暑」との主な違いは、後述するように予報用語として認められていない点にあります。
「酷暑」とは
「酷暑」とは、「ひどく暑いこと」「真夏のきびしい暑さ」といった意味の言葉です。やはり気温が高く、暑さがいちじるしいことを指しています。読み方は「こくしょ」で、「毎日酷暑が続く」「酷暑の候、貴社いよいよご盛栄のこととお慶び申し上げます」などのように使われます。
「酷暑」の「酷」の字は、「酒のアルコール度がひどい」を表しており、「ひどい」「きびしい」の意味を持ちます。
「酷暑」もやはり、きびしい暑さを表す言葉で、明確な数値の定義はありません。ただ、「酷暑日」という言葉は、以前マスコミで「最高気温が35℃以上の日」を指して使われていました。これによって「酷暑」の語が広まったという経緯があります。しかし、気象庁が同様の日を「猛暑日」と定義して以降は、「酷暑日=猛暑日の俗称」という位置づけに変わりました。
一般的には「酷暑」の方が「猛暑」より暑いというイメージもあるようですが、実質的な意味の違いはありません。ただ、予報用語としては「酷暑」が正式である点で、「猛暑」と使い分けることもできます。
「激暑」とは
「激暑」とは、文字通り「はげしい暑さ」という意味の言葉です。暑さの程度がいちじるしいことを言います。読み方は「げきしょ」で、「劇暑」と書かれる場合もあります。「こんな激暑では体がもたない」「激暑の影響で電力需要が急伸している」のように使われます。
「激暑」の「激」の字は、「水」「たたく」の象形から成り、「程度が普通の状態をはるかに超えている」の意味を表します。
「激暑」もまた、「ひどい暑さ」を意味する点では、「猛暑」や「酷暑」と違いはありません。具体的な数値の定義がない点も同様です。ただ、「激暑日」のような使い方がされず、言葉自体の使用例も少ない点は、「猛暑」などとの違いとなっています。
「炎暑」とは
「炎暑」とは、「真夏の焼け付くような暑さ」という意味の言葉です。読み方は「えんしょ」ですが、古くは「えんじょ」とも読まれました。「炎暑はますます激しくなっている」「炎暑で熱中症が相次いだ」のように使われます。
「炎暑」の「炎」の字は、「燃え上がるほのお」の象形から成り、「ほのお」「もえる」「熱い、暑い」の意味を持ちます。
「炎暑」も明確な温度の定義はなく、漠然と暑さがはげしいことを指す点で、「猛暑」などと違いはありません。ただ、「炎暑」には「ギラギラとした日差しの強さ」のニュアンスが含まれる点が、他とは微妙に違う特徴となっています。また、「炎暑日」などと使われることもありません。
「極暑」とは
「極暑」とは、「きわめて暑いこと」「夏の暑さの盛り」という意味の言葉です。読み方は「ごくしょ」で、「極暑の中での屋外作業は体にこたえる」「今日も極暑なので、水分補給はこまめに行うように」のように使われます。
「極暑」の「極」の字は、「屋根の最も高いところ」を表し、「きわみ」の意味を持ちます。
「極暑」もやはり、「猛暑」などと同様に、明確な数値による定義はありません。主な意味合いも他の語と同様ですが、日差しがない場面でも使えるという点は、「炎暑」との違いとなっています。ただし、実際の使用例は少なく、一般的にはあまり認識されない語となっています。もちろん、「極暑日」という言葉もありません。
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
- 最新の情報をお届けします
- Tweet Follow @b_textbook
その他おすすめのコンテンツ一覧
-
「ください」と「下さい」の正しい使い分け方と違い
-
「早急(そうきゅう)」と「早急(さっきゅう)」の意味の違いと読み方
-
一次元・二次元・三次元・四次元・五次元の違い
-
「世論(よろん)」と「世論(せろん)」の違いと読み方
-
「いただく」と「頂く」の正しい使い分け方と違い
-
「宜しく」と「よろしく」の正しい使い分け方と違い
-
読み間違いが多い漢字111選
-
「凡例(はんれい)」と「凡例(ぼんれい)」の違いと読み方
-
高級寿司屋のマナーと正しい食べ方34選
-
「つまずく」と「つまづく」の意味と違い
-
生む(生まれる)・産む(産まれる)の違い
-
「重複(ちょうふく)」と「重複(じゅうふく)」の違いと読み方
-
「すいません」と「すみません」の違い
-
「動線」と「導線」の違い
-
グローバル化とは?グローバル社会とは?メリットと13の問題点
-
「いたします」と「致します」の正しい使い分け方と違い
-
民主主義・資本主義・社会主義・共産主義の違い
-
「信用」と「信頼」の違い
-
元・基・下の使い方の違い
-
「尋ねる」「訪ねる」「訊ねる」の意味と違い
-
「代替案(だいたいあん)と(だいがえあん)」の違いと読み方
-
「讃える」と「称える」の意味と違い
-
「夫」「主人」「旦那」「亭主」の意味と違い
-
関東と関西の61の違い