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「模合」「無尽」の意味と違い

「模合」「無尽」の意味と違い

「模合」「無尽」の意味と違い

「模合」という言葉は、沖縄出身や、あるいは沖縄に住んだ経験のある人なら、聞き覚えがあるかもしれません。一言で言えば、「庶民による金融制度」のことですが、これとよく似た制度に、「無尽」と呼ばれるものがあります。こちらは現在ではあまり聞かれなくなったものの、地域によっては今でも風習として残っています。
では、これら2つの言葉は、一体どのように異なるのでしょうか。

今回は、「模合」と「無尽」の意味や違いについて、詳しく解説していきたいと思います。

「模合」とは

模合

「模合」とは、沖縄における金融の風習を指す言葉です。複数の人間などが1つのグループを形成して、毎回一定の金額を積み立て、定期的に順番に1人ずつ金銭の給付を受ける制度を指します。たとえば、月一回の会合でメンバー全員から集金して積み立てていき、半年に一度、あるいは一年に一度、「親」にあたる者が全額を総取りするという具合です。集金に際しては飲み会が開かれることが通常で、飲み代は基本的に、積立金とは別に支払われます。

構成メンバーは、親族や友人、クラスメート、職場の仲間、主婦仲間、企業の社長同士などさまざまで、庶民金融とは言うものの、実質は「親睦会」の色合いが濃くなっています。

読み方は「もあい」ですが、沖縄の方言では「ムエー」と言われます。「もあい」は「もやう(船と船をつなぎあわせる)」のことで、この場合「共同」といった意味を表します。
基本的に「無尽」との違いはなく、地域における呼び方が異なるだけと言えます。

「無尽」とは

無尽

「無尽」とは、「一定の口数と給付金額を決めて加入者を集め、定期的に掛け金を掛けさせて、抽選や入札などの方法によって金品を給付する相互扶助制度」を意味する言葉です。読み方は「むじん」で、「無尽講(むじんこう)」とも呼ばれます。

もともとは「頼母子(たのもし)」という無利子の互助法として始まりましたが、その後利子を取るものや、営利目的の「営業無尽」も現れるようになりました。このうち「営業無尽」は、現在でも「日本住宅無尽株式会社」という会社が存在しています。

一般個人での「無尽」は、現在でも地域ごとにさまざまな仕組みや名称で残っていますが、実質は寄合がメインで、それに「無尽」の仕組みを組み合わせるといったケースが多くなっています。

「模合」との違いは、上で述べたように基本的にはありません。ただ、「模合」は主に沖縄で使われる言い方なのに対し、「無尽」は一般的な名称である点で区別することができます。

「模合」「無尽」の意味と違い

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