一般常識
「未到」「未踏」の意味と違い
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「未到」「未踏」の意味と違い
スポーツ記事などで、「前人未到(ぜんじんみとう)の記録が達成された」といった表現を目にすることがよくあります。しかし、この「みとう」の部分には「未踏」の表記が当てられることもあり、どちらが正しいのかで混乱するという人も少なくないでしょう。この問題について考えるには、「未到」と「未踏」の本来の意味を知ることが役に立ちます。
今回は、「未到」「未踏」の意味や違いについて詳しく解説していきますので、両者の使い分けが気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。
「未到」
「未到」とは、「まだ到達しないこと」という意味の言葉です。ある事柄をこれまで成し遂げていないということを示す際に使われます。「未到」の「未」は「いまだ」や「まだ」を意味し、「到」は「ある目的地・場所に行きつく」「ある段階・状態になる」を意味しています。「前人未到の大記録まであと一歩だった」「学業未到の身で結婚などとんでもないと、親に反対された」のように使われます。
「未到」と「未踏」の意味は、似てはいますが同じではありません。「未踏」が後述するように、主に「ある場所へ行っていないこと」を指すのとは違い、「未到」は「あるレベルの業績や記録、心境などに達していないこと」を指すようになっています。「未到」の方が対象の範囲が幅広く、抽象的なものにも使える点が特徴です。ですので、「前人“みとう”」という場合は、「未到」の方が適していると言えます。
「未踏」
「未踏」とは、「まだ誰も足を踏み入れたことがないこと」という意味の言葉です。ある場所にこれまで誰もたどり着いていないことを示す際に使われます。「踏」の字は、「足をふむ」を表す漢字ですが、この場合は「ある場所を訪れる」を意味します。「人跡未踏の地に降り立つ」「未踏峰はまだ世界中にたくさんある」のように使われます。
「未踏」と「未到」は、上で述べたように、使われる対象が違います。「未到」は主に業績や記録などに対し使われますが、「未踏」は場所に対して使うのが通常です。「前人未踏」という表現も間違いとは言えませんが、一般的には上記のように、「未到」を使うケースが多くなっています。一方、「人跡“みとう”」という場合には、「未到」ではなく「未踏」が正解になります。
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