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一般常識

「密閉」「密封」「気密」の意味と違い

「密閉」「密封」「気密」の意味と違い

「密閉」「密封」「気密」の意味と違い

「密閉空間」や「密閉容器」のように、「密閉」という言葉は、日常でも比較的よく耳にするものです。一方、これとよく似た言葉で、「密封」や「気密」というものも使われる機会が多くなっています。この3語は「密」の字が共通する上に、意味合いも重なっていて区別が難しいところですが、一体どの点に相違があるのでしょうか。具体的な使い分けのポイントが知りたいところです。

今回は、「密閉」「密封」「気密」の意味や違いについて解説していきますので、これらの使い分けが気になる方は、参考にしてみてください。

「密閉」とは

密閉

「密閉(みっぺい)」とは、「すきまなくぴったりと閉じること」という意味の言葉です。「中に異物が入らないように、容器を密閉しておく」「こんな密閉された空間では、換気がうまくできない」「密閉タイプのキャニスターに、調味料などを入れて保存している」のように使われます。

「密閉」の「密」の字は、「ひそか」を意味しますが、「隙間がない」の意味も持ちます。一方「閉」の字は、「とじる」「とざす」「しめる」などの意味を表します。

「密閉」と「密封」は、どちらも同じような意味を持っており、一般的には厳密な使い分けをしないことも多くなっています。ただ、両者がそれぞれ持つニュアンスには、細かな違いも存在します。「密閉」は「密封」に比べると、閉じ方の具合がやや緩い印象になる点が特徴です。

「密封」とは

密封

「密封(みっぷう)」とは、「すきまなく封をすること」「しっかりと封をすること」という意味の言葉です。「シーラーでビニール袋を密封する」「密封パックに飲み物を入れて冷凍保存している」「スプレー缶には圧縮ガスが密封されている」などのように使われます。

「密封」の「封」という字は、もともと「盛り土」を意味しますが、「出入口をふさぐこと」「閉じ合わせた箇所」の意味も持ちます。

「密封」と「密閉」は、上記のようにほぼ同じ意味合いと言ってよい言葉です。しかし、語感としては「密封」の方が、より「堅く閉ざされている」印象が強いという違いが見られます。たとえば理化学用語では、「密封容器」は気密性において最も厳密な容器であるとされます。

「気密」とは

気密

「気密(きみつ)」とは、「気体が出入りできない状態」という意味の言葉です。ある箇所を閉ざして気体の流通を妨げ、内部が気圧の影響を受けないようにすることについて言います。「現代の建築では、気密性を追求する傾向が強い」「高気密構造の家」「コンセント回りに気密処理を施す」のように使われます。

「気密」の「気」の字は、この場合「蒸気・水蒸気、空気、気体」などを意味します。

「気密」も容器などがぴったり閉じられた状態を指す点では、「密閉」「密封」と違いはありません。ただ、「気密」の場合は特に「気体の通過が阻害される」点が強調されているところが、他の2つとの使い分けのポイントになります。

一方、上記の理化学分野における「気密容器」は、「固形や液状の異物の侵入を防いで、内部の薬剤などを保護する容器」と定義されており、気体がわずかに侵入することはやむを得ないとされます。これに対し「密封容器」は、気体の侵入を防ぐ容器を、「密閉容器」は、固形の異物の侵入を防ぐ容器を指します。つまりこの分野における気密性の比較としては、高い方から「密封」「気密」「密閉」の順番になると言えます。この点は一般的な意味合いとはやや異なるので、多少注意が必要です。

「密閉」「密封」「気密」の意味と違い

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