一般常識
「興業」「興行」「工業」の意味と違い

スポンサーリンク
興業・興行・工業の意味と違いとは
「興業」と「興行」は、いずれも「こうぎょう」と読む熟語です。この2つは、共に「興」の字が入っていることから、使い方を混同しやすくなっています。例えば「相撲の地方こうぎょう」という場合、どちらの語を使うべきか分からないという人も多いでしょう。それぞれの意味合いをしっかり把握しておくことで、こうした使い分けに迷わずにすみます。
今回は、「興業」と「興行」の意味や違いに加え、「工業」との違いについても解説していきましょう。
興業とは
「興業」とは、「新しく事業をおこすこと」という意味の言葉です。経済上の事業を、新規に立ち上げることを言います。また、そうして事業を立ち上げることにより、産業を盛んにすることについても言います。「増殖興業」「興業資本」「興業銀行」などのように使われます。
「興業」の「興」の字は、「力を合わせてものを上げる」さまを表しており、「おこす」「はじめる」などの意味があります。「業」の字は、「楽器を懸けるための飾り板」を表しており、「わざ」や「しごと」といった意味を持ちます。
「興業」はこのように、主に「事業をおこす」という意味で使われる言葉であり、「興行」とは意味合いが違います。後述するように、「興行」にはこうした意味合いはありません。
興行とは
「興行」の意味は、「催し物をひらくこと」というものです。観客を集めて料金を取ったうえで、演劇や歌謡、映画やイベントなどを開催することを言います。また、そうしてひらかれた催し物についても言います。「顔見世興行」「地方興行」「三日間の興行」などのように使われます。
「興行」の「興」は、前述のように「おこす」などを表しますが、「行」の字は「いく」「おこなう」などを意味しています。
「興行」はこのように、「演劇などの催しを行うこと」を指しており、「事業をおこす」を表す「興業」とは意味がまったく違います。ですので、「増殖興行」などという使い方は、間違いということになります。使い分ける際は、こうした点に注意することが必要です。
工業とは
「工業」とは、「原料をさまざまに加工して、種々の製品を生産する産業」といった意味の言葉です。農業や鉱業などによる生産物を原材料として、それを道具や機械で加工し、さまざまな有用な製品をつくる事業を言います。「工業製品」「工業団地」「製造工業」「工業立国」などのように使われます。
「工業」の「業」は、前述のように「わざ」「しごと」などの意味を持ちます。一方「工」の字は、「のみやさしがね」の象形から成っており、「物を作る人」を意味します。
このように、「工業」は道具などを用いて原料を加工し、さまざまな製品を作る産業を指しており、「興業」や「興行」とは意味がまったく違います。「工業」には、「事業をおこす」や「催し物をひらく」などの意味はありません。
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
- 最新の情報をお届けします
- Tweet Follow @b_textbook
その他おすすめのコンテンツ一覧
-
一次元・二次元・三次元・四次元・五次元の違い
-
「信用」と「信頼」の違い
-
元・基・下の使い方の違い
-
「夫」「主人」「旦那」「亭主」の意味と違い
-
「動線」と「導線」の違い
-
生む(生まれる)・産む(産まれる)の違い
-
「つまずく」と「つまづく」の意味と違い
-
「蘇る」と「甦る」の意味と違い
-
「ください」と「下さい」の正しい使い分け方と違い
-
「年度」「年次」「年時」の違い
-
「変える」「替える」「代える」「換える」の意味と違い
-
「一人称」「二人称」「三人称」の意味と違い
-
「尋ねる」「訪ねる」「訊ねる」の意味と違い
-
高級寿司屋のマナーと正しい食べ方34選
-
「宜しく」と「よろしく」の正しい使い分け方と違い
-
ホールディングスとは(持株会社とは)?メリットとデメリット9選
-
全20種類!○○世代一覧
-
民主主義・資本主義・社会主義・共産主義の違い
-
「いただく」と「頂く」の正しい使い分け方と違い
-
「早急(そうきゅう)」と「早急(さっきゅう)」の意味の違いと読み方
-
「すいません」と「すみません」の違い
-
部・課・室・係など組織図の種類と違い
-
本店・本社・支店・支社・営業所・出張所・事業所の違い
-
朗報・悲報・吉報・凶報・訃報・速報の違い