一般常識
「近所」「近辺」「近隣」の意味と違い
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「近所」「近辺」「近隣」の意味と違いとは
「~の近く」といった意味を表す言葉には、さまざまなものがあります。「近所」「近辺」「近隣」の3つもそうしたものの一種ですが、これらは果たして、どのように使い分けるべきなのでしょうか。すんなり答えられる人は、そう多くないかもしれません。
そこで今回は、「近所」「近辺」「近隣」の意味や違い、使い分けのポイントについて、詳しく解説していきたいと思います。
「近所」とは
「近所」とは、「ある場所から近いところ」という意味の言葉です。「近所を散歩するのが日課だ」「この近所にはコンビニがない」のように使われます。また、「近くの家」という意味もあり、この場合は「ご近所の方からおみやげをもらった」「近所づきあいも何かと苦労が多い」のように使われます。読み方は、「きんじょ」です。
「近所」の「近」の字は「距離の隔たりが小さい」を意味しており、「所」は「場所」を意味しています。
「近辺」や「近隣」とは大まかな意味で違いはありませんが、基準となる場所については、やや違いがあります。「近所」の場合は、家や事務所などのように、人が住んだり働くための建物に関して使われることが多いという特徴があります。
「近辺」とは
「近辺」とは、「近いあたり」という意味の言葉です。ある場所の周辺の地域を指します。読み方は「きんぺん」で、「最近学校の近辺に不審者が出るそうだ」「家の近辺を探してみたが、飼い猫は見つからなかった」「待ち合わせの場所はこの近辺のはずだ」のように使われます。
「近辺」の「辺」という字は、「行く」「境界に置かれたおまじない」の象形から成り、「あたり、そば」の意味を持ちます。
「近所」とは、上記のように基本的な意味の違いはありません。ただ、「近所」が主に「自分の家や勤務地」を基準として使われるのに対し、「近辺」はそれ以外の場所についても広く使えるという特徴があります。例えば、「海岸の近所」という言い方はほとんどされませんが、「海岸の近辺」という言い方は不自然ではないといった具合です。
「近隣」とは
「近隣」とは、「となりあったごく近いあたり」という意味の言葉です。自分が住んでいる場所から近い範囲を指します。読み方は「きんりん」で、「近隣住民に迷惑がかかる」「難民が近隣諸国に逃れた」のように使われます。
「近隣」の「隣」という字は、「庶民の村」を表しており、「境を接する」「となり」の意味を持ちます。
「近隣」と「近所」は、「自分の住んでいる所の近く」を指す点で共通しています。しかし、「近所」が主に家や勤務地などの「建物」を基準とするのに対し、「近隣」は村や都市、国などのように、「暮らしの共同体」を基準とする点に違いがあります。また、「近所」が口語的な表現なのに対し、「近隣」は文語的な表現である点も、使い分けのポイントとなっています。
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