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一般常識

「奇妙」「奇怪」「怪奇」の意味と違い

「奇妙」「奇怪」「怪奇」の意味と違い

「奇妙」「奇怪」「怪奇」の意味と違い

何か不可思議なことに出会った際に、「奇妙」という言葉がよく使われます。「○○氏は奇妙な振る舞いを見せた」といった具合ですが、その一方でこれとよく似た、「奇怪」「怪奇」という言葉もたびたび耳にするようになっています。3語とも「奇」という字が入り、意味合いや使い方も共通する部分が多くなっていますが、どこら辺に区別のポイントがあるのでしょうか。

今回は、「奇妙」「奇怪」「怪奇」の3つの語の意味や違いについて解説していきますので、これらの使い分けが気になる方は、参考にしてみてください。

「奇妙」とは

奇妙

「奇妙(きみょう)」とは、「普通にはない、不思議なこと」「珍しいこと」という意味の言葉です。また、そうしたさまについても言います。「それは科学的に見ても奇妙な現象だった」「奇妙なことに、彼は親友の裏切りを責めなかった」のように使われます。

「奇妙」はまた、「風変わりなこと」という意味も持ち、この場合は「奇妙な出で立ちの男」「彼女は奇妙な踊りを披露してくれた」のように使われます。

「奇妙」の「奇」は、「めずらしい」や「あやしい」を意味します。「妙」は、本来「美しい」を意味する漢字ですが、この場合は「不思議」や「変わっている」の意味になります。

「奇怪」との違いは、「珍しさ」や「風変わりであること」に意味の重点を置くところにあります。

「奇怪」とは

奇怪

「奇怪(きかい)」とは、「常識では考えられないほど怪しく不思議なこと」という意味の言葉です。また、そうしたさまについても言います。「前代未聞の奇怪な事件が起こった」のように使われます。

「奇怪」にはこの他に、「常識に外れていて合点のゆかないこと」「けしからぬこと」という意味もあります。この場合は、「迷惑をかけた当人が謝らないとは奇怪な話だ」のように使われます。

「奇怪」の「怪」の字は、「不思議である」「普通では想像や説明ができない」「みぐるしい」といった意味を表します。

「奇怪」と「奇妙」は、どちらも「不思議なこと」を意味する点で共通しますが、細かいニュアンスは違います。「奇怪」は「奇妙」に比べて、「理性や常識の埒外である」というニュアンスが強い点が特徴です。そのため、「奇妙な事件」というより「奇怪な事件」という方が、より不可解で不気味な事件という印象になります。

また、「奇怪」には「けしからぬ」の意味合いが含まれる点も、「奇妙」との違いになります。

「怪奇」とは

怪奇

「怪奇(かいき)」とは、「あやしく不思議なこと」「実際にはありそうもない、または説明のしようもない不思議なこと」や、そうしたさまを意味する言葉です。「こんな複雑怪奇な話は聞いたことがない」のように使われます。

さらに「怪奇」には、「姿かたちが不気味なこと」「グロテスク」といった意味もあります。この場合は、「ナマコは見た目は怪奇だが、いろいろと興味深い生物だ」のように使われます。

「怪奇」と「奇怪」は、意味合いに重なる部分が多い言葉です。実際に、双方を入れ替えても成り立つケースが少なくありませんが、やはり細かなニュアンスは違います。「怪奇」は「奇怪」よりも、「理解の範囲を超える」度合が強い印象になる点が特徴です。

また、「怪奇」には「グロテスク」の意味がある一方で、「けしからぬ」の意味はない点も、使い分けのポイントになります。このほか、「怪奇映画」などという使い方はできても、「奇怪映画」とは言わないなどの違いも指摘できます。

「奇妙」「奇怪」「怪奇」の意味と違い

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