一般常識
「決戦投票」「決選投票」の意味と違い

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「決戦投票」「決選投票」の意味と違い
「“けっせん”投票が確実視される」などというように、「“けっせん”投票」という言葉は政治関連のニュースなどで比較的耳なじみのあるものですが、この「けっせん」を文字にした際、「決戦」という表記を当てる場合もあれば、「決選」の表記を当てる場合もあります。一体どちらが正しいのか、あるいはどちらとも使えるのかといったことで混乱する人も多いでしょう。
今回は、「決戦投票」と「決選投票」の意味や違いについて解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
「決戦投票」とは
「決戦投票」とは、「決選投票」の誤りです。「一回目の選挙で当選者が決まらない時、上位の2人について行われる投票」の意味で使われることも多くなっていますが、この意味に「決戦」の語を当てるのは、正しくありません。
「決戦」とは、「最終的な勝敗を決定するために戦うこと」という意味の言葉で、スポーツなどの分野でも使われますが、もともとは戦争に関する言葉です。戦争全体の結末に決定的な影響を与えるような戦闘や、あるいは小戦闘がエスカレートし、当事国同士の決定的な全面戦に至る場合などを指して、「決戦」と呼んでいました。
こうした意味から見ると、「決戦投票」という言葉も成りたちそうですが、実際には選挙に関しては「決選」という言葉があるため、「決戦」を使うのは間違いにあたります。
「決選投票」とは
「決選投票」とは、「選挙で、1回目の投票で当選者が決まらない場合、上位得票者2名についてもう一度行う投票」という意味の言葉です。「決選」は、「決定選挙」を略した言葉になります。「決選投票」が行われる代表的なケースとしては、国会両院の議長・役員選挙や、内閣総理大臣の指名投票などが挙げられます。
たとえば自民党総裁選の場合、まず国会議員と党員による投票が行われ、その中で過半数を獲得した得票者がいなかった場合は、上位2名の候補に絞って「決選投票」を行い、当選者を決める仕組みとなっています。
上で述べたように、選挙については「決選投票」が正しく、「決戦投票」と書くのは間違いにあたります。「決選」と「決戦」の意味の違いを踏まえておくと、誤った使い方を防げるでしょう。

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