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一般常識

「観念的」「抽象的」「概念的」の意味と違い

「観念的」「抽象的」「概念的」の意味と違い

「観念的」「抽象的」「概念的」の意味と違い

「観念的」「抽象的」「概念的」の3語は、いずれも「頭の中だけの考え」といった意味合いで使われるという共通点があります。「抽象的、観念的なアイデア」「観念的・概念的思考」など、まとめて使われることも多いために個々の違いが分かりづらくなっていますが、それぞれには本来どのような特徴があるのでしょうか。

今回は、「観念的」「抽象的」「概念的」の意味や違いについて解説していきますので、これらを使い分ける際の参考にしてみてください。

「観念的」とは

観念的

「観念的(かんねんてき)」とは、「観念に関するさま」という意味の言葉ですが、「具体的事実に基づかず頭の中で組み立てられただけで、現実に即していないさま」という意味もあります。「彼の作品はあまりに観念的すぎて、一般には受け入れられなかった」「観念的な思考にばかり陥ると、現実を見失うぞ」「どんなに観念的な言葉を並べたって、人々に響かなければむなしいばかりだ」のように使われます。

「観念」の語は、この場合「人がものごとに関して抱く、主観的な考え」を意味しています。

「観念的」と「抽象的」「概念的」は、「現実から離れている」という部分で共通しますが、使われ方のニュアンスは微妙に違います。「観念的」は、どちらかというと「現実への影響力がない」という意味合いに重点を置くところが特徴です。「非現実的」「空想的」「絵空事」などの類語を思い浮かべると、区別がしやすいでしょう。

「抽象的」とは

抽象的

「抽象的(ちゅうしょうてき)」とは、「いくつかの事物に共通なものを抜き出して、それを一般化して考えるさま」という意味の言葉ですが、もう1つの意味として、「頭の中だけで考えていて、具体性に欠けるさま」というものもあります。その場合、「そんな抽象的な言い方でなく、もっと具体的に話してくれ」「君の文章は抽象的でわかりづらいよ」「今のところはまだ作品の抽象的なイメージしか浮かんでいない」のように使われます。

「抽象」という言葉は、「事実や表象からある要素や性質などを抜き出して把握すること」を意味します。

「観念的」「概念的」との違いにあたる「抽象的」の特徴は、「具体性がない」という意味合いに重点を置くところにあります。この場合も類語で考えるとわかりやすくなりますが、「抽象的」の類語には、「漠然」や「曖昧」、「不明瞭」などが挙げられます。

「概念的」とは

概念的

「概念的(がいねんてき)」とは、「概念によっているさま」という意味の言葉です。個々の特性は気にせず、共通点のみを大まかに取り上げるさまについて言う言葉ですが、「現実味に欠ける」という意味で使われる場合もあります。その場合の使い方としては、「その説明の仕方は概念的で、具体性に欠ける」「あまり概念的な話をしても、一般の人にはピンと来ないだろう」「彼は概念的な思考に陥りがちなところがある」のようになります。

「概念」という言葉は、「ものごとの概括的な意味内容」といった意味を表します。

「概念的」と「観念的」「抽象的」の違いは非常に微妙ですが、やはり他とは異なるニュアンスの特徴があります。「概念的」の場合、どちらかというと「大まかに把握する」といった意味合いに重点が置かれるところがポイントです。こちらも類語で見てみると、「大雑把」や「ぞんざい」などが挙げられます。

「観念的」「抽象的」「概念的」の意味と違い

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