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一般常識

「~に鑑みる」「~を鑑みる」の意味と違い

「~に鑑みる」「~を鑑みる」の意味と違い

「~に鑑みる」「~を鑑みる」の意味と違い

「鑑みる」という言葉は、文章やスピーチなどいろいろな場面で使われることから、多くの人にとって比較的なじみのあるものです。ただその使い方については、「~に」をつけるか「~を」をつけるかで迷うといった声も少なくありません。果たして「鑑みる」には、助詞のつなぎ方についてのルールなどはあるのでしょうか。また、2つの表現が使い分けられるかどうかも気になるところです。

そこで今回は、「~に鑑みる」と「~を鑑みる」の意味や違いについて、詳しく解説していきたいと思います。

「~に鑑みる」

~に鑑みる

「~に鑑みる」とは、「ものごとを、他の事例などに照らし合わせて考量すること、参考にすること」といった意味の言葉です。あるものごとについて、お手本や先行する事例などと比較対照することを指します。「この計画については、時局に鑑みて見送ることにした」「過去の事例に鑑みるに、そのアイデアは必ずしも荒唐無稽とは言えない」のように使われます。

「鑑みる」は、もともとは「鑑る」と書いて「かがみる」と発音されていましたが、やがて「かんがみる」へと音変化しました。

「~を鑑みる」との意味の違いは、特にありません。同じ言葉でも、つながる助詞が「~に」と「~を」では意味合いが変わることもありますが、この場合はどちらにおいても意味が重複しているため、同じように使うことができます。

「~を鑑みる」

~を鑑みる

「~を鑑みる」とは、「過去の例や手本などに照らして考える」という意味の言葉です。「情勢を鑑みるに、ここは一端引き下がった方が良さそうだ」「あの人は時勢を鑑みて適切に判断する術を心得ている」のように使われます。「鑑みる」の「鑑」の字は、「金属製のかがみ」を表しており、「模範」や「前例と見比べて考える」、「手本としてみる」といった意味を持ちます。

「~に鑑みる」との違いは、上記のように特にありません。「~を」はあとの動詞の表す動作・作用の対象を示す役割を持ち、「~に」は動作・作用・状態の対象や相手、成立点などを指定する役割を持ちますが、両者の用法には重なる部分もあります。たとえば「現下の情勢を鑑みる」という場合、「“現下の情勢”を鑑みる対象とする」の意味になりますが、「現下の情勢に鑑みる」という場合も、「あることを“現下の情勢”に対して照らし考える」の意味になり、実質的に同じ内容となります。

こうしたことを考えると、使い分けやどちらの表現が適切といったことは、あまり考える必要はないと言えるでしょう。

「~に鑑みる」「~を鑑みる」の意味と違い

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