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一般常識

「十分」と「充分」、「十二分」の違い

「十分」と「充分」、「十二分」の違い

十分と充分、十二分の違いとは

何かが一定量以上あるという意味の「じゅうぶん」には、「十分」「充分」さらに「十二分」という3つの表記が存在します。この3つの表記は、意味は同じでも使い方に微妙な違いがあることをご存知でしょうか。この違いを知っておくことで、それぞれの使い分けの精度を上げることができます。
そこで今回は、「十分」「充分」「十二分」の3つの違いについて、詳しく説明していきましょう。

十分とは

十分の意味は、「何かが必要なだけ足りている」ということです。ものなどがある程度の量求められるとき、それが必要と思われるだけ集まった状態を指します。具体的な使い方としては、「時間は十分ある」「資金は十分集まった」というものになります。

もともと「じゅうぶん」という言葉には、こちらの表記が当てられていました。その後「充分」という表記もされるようになっていますが、現在のところ公文書においては、「十分」の字だけが用いられています。

「充分」との違いは、時間や金銭など、主に数的・量的に満たされた状態を表す際使われるという点にあります。これは表記に「十」という数字が使われているためで、この点を覚えておくと、使い分ける際便利です。

充分とは

充分もまた、「何かが不足なくある状態」を指す言葉となっています。意味の点においては、「十分」と違いはありません。しかし、使われ方には多少の違いがあります。

充分という表記が使われる場合には、主観的・精神的に満たされた状態を指すことが多くなっています。これは、「充」の字が「充足する」すなわち「充ち(満ち)足りる」という意味合いを持つためです。そのため、使い方の例としては、「食事は充分いただきました」「充分楽しい映画でした」などというものになります。この点もまた、使い分けのポイントとなります。

ただ、「十分」と「充分」は、それほど厳密に使い分けられているわけではありません。ですので公文書以外では、数的な満足を表す場合でも「充分」の字を用いることは可能です。特に「十分」が時間の10分に間違われやすい場合には、「充分」を用いて問題はありません。

十二分とは

十二分とは、何かが必要以上と言えるほどたっぷりある様を表す言葉です。あるものが、求められる分量を超えてさらに余裕のある状態を指しています。具体的な使い方としては、「成果は十二分に上がった」「余力は十二分に残している」「実力は十二分にある」といった具合になります。似たような言葉としては、「120%」があります。

十二分の意味合いとしては、実質的に「十分」と違いはありません。ただ、ニュアンスとしてはそれ以上に余裕があることを強調する言葉となっています。「十分」という言葉が先にあり、それよりもはるかにたっぷりと余力があることを示したいときに、二つ余計に付け足した「十二分」が使われ出したと考えられます。そのため、基本的に「十分」と置き換えて使うことも可能となっています。

「十分」と「充分」、「十二分」の違い

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