一般常識
「実績」「実積」の意味と違い
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「実績」「実積」の意味と違い
日本語には、読みが同じで字が異なる言葉が多く存在しますが、そうした同音異義語の中にも、とりわけ区別がややこしいものがいくつか見られます。「実績」と「実積」の2つは、そうした取り合わせの代表例と言えるでしょう。どちらも「じっせき」と読むだけでなく、漢字の見た目もそっくりなことから、混同して使われるケースも少なくありません。しかし、両者は明確に異なる言葉であり、きちんと使い分けることが求められます。
今回は、「実績」と「実積」の意味や違いについて解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
「実績」とは
「実績」とは、「実際に示した功績または成績」を意味する言葉です。ある人や団体が、それまで現実に成し遂げてきた仕事などについて言います。「A氏は研究者として十分な実績を残している」「実績で考えれば、彼女がリーダーに選ばれてしかるべきだ」「彼は能力は申し分ないが、実績に乏しいのが少々難点だ」のように使われます。
「実績」の「実」は、「みちる」を意味する漢字ですが、「まこと」「本当」の意味も持ちます。一方「績」は、「つむぐ」を表しますが、この場合は「わざ」や「わざによる結果」の意味になります。
「実績」と「実積」は読みは同じですが、意味は全く違います。「実積」については後述しますが、「実績」は「功績」や「成績」についての言葉である点で、明確に使い分けられます。
「実積」とは
「実積」とは、「実際の面積、または体積」を意味する言葉です。「タンク内の水の実積を測る」「砕石の実積率を求める」「土地の広さは100㎡とされているが、実積はもっと広くなるはずだ」などのように使われます。
「実積」の「積」は、「集める」「たくわえる」を表す漢字ですが、この場合は数学用語として、「2つ以上の数を掛け合わせた数値」の意味になります。
「実積」と「実績」は、このようにまったく異なる言葉です。「実績」が仕事上の業績などについて言及する際に使われるのとは違い、「実積」は数学的に面積や体積を求める際に使われるようになっています。ですので、「これまでの会社の実積を紹介する」といった使い方は、誤りということになります。この点に気を付けて、両者を使い分けるようにしましょう。
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