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「人海戦術」の意味とは?使い方や例文
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「人海戦術」の意味とは?使い方や例文
「人海戦術」という言葉は、元は軍事用語として使われていたものですが、現在はさまざまな場面で広く使われています。ビジネス関連の書籍や記事でも見かけることがあると思いますが、実は詳しい意味についてよく知らないという人も多いでしょう。一体「人海」とは、どういったことを表しているのでしょうか。
今回は、現代の社会人にとっても無縁ではない「人海戦術」の意味や使い方などについて解説していきますので、ぜひ参考にしてみてくだい。
「人海戦術」の意味
一般的な意味での「人海戦術」とは
ビジネスシーンを含めた一般的な場面で使われる場合の「人海戦術」は、「あるものごとへの対処について、多人数を繰り出して当たらせること」を意味します。大勢の人間を動員することで、仕事や問題などを終わらせようとする行為について使われます。読み方は「じんかいせんじゅつ」で、「人海作戦」と言われることもあります。「人海」は、人の多さを広大な海に例えた表現になります。
さまざまな場面で使われる言葉ですが、たとえば大規模な災害被災地や事故現場における救助活動など、人手に頼るしかない状況が典型的です。ビジネスシーンにおいてもよく使われており、特にテレアポなどの営業の現場では、話題に上ることが多くなっています。
「人海戦術」の特徴
「人海戦術」という言葉には、一般に「質より数が重要」というニュアンスが含まれます。この戦術において、通常個々の資質や能力は問題ではなく、とにかく頭数をそろえることが優先されます。平均的な知識・技術レベルが少々不足していても、とにかく人員を増やすことでチャンスを網羅できればOKという考えです。人が多ければ多いほど、とりこぼしが少なく、かつ成功例が増えるため、目標達成率が高まるというメリットがあります。前述のテレアポのケースを考えれば、理解しやすいでしょう。
「人海戦術」の由来
「人海戦術」という言葉は、「戦術」とあるように、もともとは軍事上の戦術思想を指していました。意味は、「兵数の優位にものを言わせて目的を達成しようとする戦術」というものです。たとえば軍備に勝る敵に対し、圧倒的多数の兵士で襲撃して拠点を奪取しようとする作戦などについて使われます。
このような使い方をされるようになった由来は、中国人民解放軍が抗日戦や朝鮮戦争で、同様の作戦を活発に展開していたことにあります。特に、朝鮮戦争時に米軍を翻弄した人民義勇軍の動きは、「人海戦術」の名を国際的に高めるきっかけとなりました。ただこの語は、最初は敵軍の周囲を平民の住む領域で囲うという、「人民の海に敵軍を埋葬する戦略」の意味で使われていました。言葉としての「人海戦術」を作ったのは、毛沢東だという説もあります。
「人海戦術」の使い方・例文
上では「人海戦術」の意味について見ましたが、ここでは実際の使い方について見ていきましょう。ビジネス用語としての用法を中心とした「人海戦術」の使い方について、以下に具体的な例文を挙げて見ました。
例文①:「営業において人海戦術は、狙い通りの実績を上げやすいという点で最強とも言える手法だ」
例文②:「とにかく、トラブル処理にあたっては人海戦術で取り組むしかない」
例文③:「人海戦術の最大の欠点は、人件費が高くつくという点だ」
例文④:「売上の急激な伸びに対応するには、人海戦術に頼るしかなかったというのが実情だ」
例文⑤:「軍事思想としての人海戦術は、現在ではもう時代遅れというのが大方の認識だ」
「人海戦術」の対義語
続いては、「人海戦術」の対義語について見てみましょう。
「人海戦術」の反対の意味にあたる言葉としては、「少数精鋭(しょうすうせいえい)」が該当します。「少数精鋭」の意味は、「全体の人数は少ないものの、能力に秀でた者だけをそろえること」というものです。「精鋭」とは、この場合「えり抜きの優れた人材」を指します。
「人海戦術」は「質より数」が問題だと述べましたが、「少数精鋭」は「数より質」を重視する考えとなっています。ビジネスシーンでもたびたび登場する言葉で、たとえば「今回のプロジェクトは少数精鋭のチームで臨む」のような使い方がされます。
「人海戦術」の類語・言い換え表現
最後に、「人海戦術」の類語や言い換え表現をいくつか紹介しておきましょう。
数を頼む
「数を頼む」とは、「人数が多いことを頼りにすること」という意味の言葉です。「衆を頼む」という表現も、ほぼ同様の意味を表します。「与党は数を頼んで強行採決に出るつもりだ」のような使い方をされます。
物量作戦
「物量作戦」とは、「圧倒的な量の物資を投入し、敵を撃破する作戦」のことです。こちらは人員ではなく、設備や道具などのモノを主体とした言葉になります。やはり元は軍事関連の言葉ですが、現在は一般的な場面でも使われています。たとえば、「アメリカは新型コロナウイルス対策にあたり、あちこちにワクチンの摂取拠点を設ける物量作戦を展開している」のような使い方がされます。
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