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一般常識

意思、意志、遺志、意図の違い

意思、意志、遺志、意図の違い

意思、意志、遺志、意図の違いとは

何かを考えたり、その考えを誰かに示そうとする時に使う言葉として、いくつかの候補が思い浮かびます。「意思」や「意志」などがそれですが、これらに使い方の違いはあるのでしょうか。また、「遺志」や「意図」との違いも知りたいところです。

そこで今回は、「意思」「意志」「遺志」「意図」という4つの言葉の違いについて、詳しく解説していきます。

意思とは

意思とは、心のうちに思い浮かべた、何かをしようとする意図や考えといった意味の言葉です。もともと漢籍に典拠を持つ言葉ですが、英語の「motive」や「idea」「will」などを表す際の訳語として当てられるようになりました。

意思は日常でもよく使われますが、法律用語としても使われるという特徴があります。この点は、後述する「意志」との違いとして挙げられます。
民法上においては、身体動作の原因となる心理作用や、ある事実に対する意欲を指し、刑法上においては、自分の行為に対する認識、もしくは犯意と同義の言葉としても使われます。

意思のもう1つの特徴は、漠然としたとりとめのない考えに対しても使われるという点です。この点に関しても、やはり意志との明らかな違いと言うことができます。

意志とは

意志とは、あることを行いたいという意向、もしくは反対に、あることをしたくないという考えを言います。

意志は、「意思」との違いで混乱しやすくなっていますが、使い分けすることもできます。上で述べたように、意志は意思と違い、法律用語としてはあまり使われません。代わりに意志は、哲学や心理学などの用語として使われることが多くなっています。哲学においては、個人や集団の行動を意識的に決める能力、もしくは、広い意味で欲望を表しています。倫理学においては、道徳的な判断の主体や原因となるものを、意志と呼んでいます。

意思との使い分けで言うと、積極性や思いの強さの点で区別することも可能です。意志は意思に比べ、より強固な意向を感じさせるという特徴があります。例えば、「意志を曲げない」「意志を貫く」といった具合です。

遺志とは

遺志とは、亡くなった人が残した志や意向を言います。この場合の「遺」は、「遺児」「遺言」などという場合と同様、「死んだ人が残した」という意味になります。

このように、遺志は「意思」や「意志」と違い、生きている人に対しては使われません。亡くなった人が生前に果たすことができなかった考えや、残った人に当てた意向・要求などに対して使われるようになっています。具体的には、「亡父の遺志を継ぐ」「師の遺志を尊重する」という風に使われます。

意図とは

意図とは、何かを行おうとすること、または行おうと考えている事柄やもくろみなどを言います。
意図の「図」には、「形、姿」といった意味の他に、「計画」の意味もあります。

意図と「意思」「意志」などの違いは、行為と対象のどちらに重点が置かれているかにあると言えます。意思や意志の場合、その内容よりも、どちらかと言えば「考える行為」自体に重点が置かれるようになっています。
例えば、「彼は手を上げて意思を示した」「彼女の強い意志を感じた」といった具合です。これに対し意図の場合は、思うこと自体より、「何を思ったか」ということに重点が置かれています。つまり、考えた内容や事柄の方に主眼があるわけです。例えば、「彼女の意図は周囲に通じた」「あの人の意図が分からない」といった具合です。

また、意図は「意図する」などのように動詞として使うこともできます。この点も、意思などとの違いに挙げることができます。