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一般常識

「偉勲」「遺勲」の意味と違い

「偉勲」「遺勲」の意味と違い

「偉勲」「遺勲」の意味と違い

同音異義語の使い分けには頭を悩ませるケースが多くなっていますが、「偉勲」と「遺勲」の2つもそうしたものの一種でしょう。どちらも「いくん」と読む上に「勲」の字も共通していて、意味の区別が難しい熟語です。ただ、細かく見ると相違点があり、それを踏まえれば使い分けも決して難しくありません。では、この2つは具体的にどういった点が異なるのでしょうか。

今回は、「偉勲」と「遺勲」の意味や違いについて解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

「偉勲」とは

偉勲

「偉勲」とは、「戦争などでの大きなてがら」「すぐれた功績」という意味の言葉です。ある人物の、大勢に誇るべき華々しい行いについて言います。「彼は戦場での偉勲により、国民的な英雄となった」「秋山真之は、日露戦争で赫々たる偉勲を立てた伝説的軍人だ」などのように使われます。

「偉勲」の「偉」は、「並みと違う人」を表しており、そこから「えらい」や「すぐれている人」を意味する漢字として成り立ちました。一方「勲」の字は、「香り高い力」を表しており、「手柄・功績」の意味を持ちます。

「偉勲」と「遺勲」は非常に似た語ですが、厳密な意味は違います。「偉勲」は前述のように「すぐれた功績」を指す語で、後の世への影響などは意味に含みません。それに対し「遺勲」は、後述するように後世を意識している点が特徴となっています。

「遺勲」とは

遺勲

「遺勲」とは、「長く後世にまで知られる功労」という意味の言葉です。似た意味の言葉には、「遺功」などがあります。「先祖の遺勲を語り継ぐ」「屯田兵の遺勲についての研究」「徳川家康の遺勲を称える」などのように使われます。

「遺勲」の「遺」という字は、「道を行く」「両手で人に物を送る」「子安貝(貨幣)」の象形から成り、「贈りとどける」という意味を表します。そこから「うしなう」や「わすれる」などの意味が派生しました。「遺勲」の場合は、「のこす」「のこる」の意味合いになります。

「遺勲」と「偉勲」は、どちらも手柄や功労についての言葉ですが、細かい意味合いは違います。「偉勲」が手柄の「大きさ」や「特別さ」に意味の重点を置いているのに対し、「遺勲」の重点は「後世にまで知られる」という部分に置かれている点で使い分けられます。

「偉勲」「遺勲」の意味と違い

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