一般常識
「以降」「以来」の意味と違い
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「以降」「以来」の意味と違い
似たような字面や使い方でありながら、微妙に異なる熟語の組み合わせの例は、日本語にいくつも見られます。「以降」と「以後」もその一種で、どちらもある一定の期間を指す言葉ですが、詳しい意味合いには若干のずれが存在しています。それでは、この2つの言葉は具体的にどういった点で使い分けられるのでしょうか。区別のポイントが知りたいところです。
今回は、「以降」と「以来」の意味や違いについて解説しますので、これらを使い分ける際の参考にしてみてください。
「以降」とは
「以降(いこう)」とは、「ある時からのち」という意味の言葉です。「“おやつ”の習慣が広まったのは、江戸時代中期以降だ」「来週以降は次第に気温が上昇すると予想されている」「今日のお昼以降の予定は今のところ入っていない」などのように使われます。
「以降」の「以」は、もともと「鋤をもちいて耕す」を意味していましたが、転じて「用いる」「~をもって」「より、から」などの意で使われるようになりました。一方「降」は、「くだる」「おりる」「時が移る」などの意味を表します。
「以降」と「以来」の主な違いは、「未来の話題について使えるかどうか」という点に求められます。「以降」は過去だけでなく、「来月以降」のように未来の話にも使える点が特徴となっています。
「以来」とは
「以来(いらい)」とは、「~よりこの方」「それより引き続き」という意味の言葉です。「小さいとき犬にかまれて以来、すっかり犬嫌いになってしまった」「アルコールを口にするのは、3年前に禁酒して以来初めてだ」「Aは去年妻と離婚した。それ以来彼は人が変わったようになった」などのように使われます。
「以来」の「来」は、もともと「ムギ」を表す漢字でしたが、のちに「くる」や「きたす」、「この次の」などの意味で使われるようになりました。「以来」の場合は、「その時から現在まで続いている」の意味になります。
「以来」と「以降」は、上記のように「未来のことに適用できるか」という点で使い分けられます。「以降」とは違い、「以来」は過去の話題についてしか使われないのが一般的です。「以来慎みます」のように、「今後」の意味での用法もありますが、あまり使用頻度は高くありません。
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