一般常識
「一翼を担う」「一端を担う」の意味と違い
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「一翼を担う」「一端を担う」の意味と違い
日本語には字面や意味合いが似た表現の組み合わせがいくつもありますが、「一翼を担う」と「一端を担う」の2語もまた、そうしたものの一種です。どちらも似た場面で使われることから、的確な区別が難しくなっていますが、何か使い分けのポイントなどはあるのでしょうか。あるとすればどの辺かが気になります。
今回は、「一翼を担う」と「一端を担う」の意味や違いについて解説していきますので、両者の使い分けについて知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
「一翼を担う」とは
「一翼を担う(いちよくをになう)」とは、「全体の中で己の任務、果たすべき役割を持つこと」という意味の言葉です。1つのまとまりとしての物事の中で、その一部分の役割を引き受けることを言います。「彼のチームは巨大プロジェクトの一翼を担っている」「A氏は経営の舵取りの一翼を担う存在だ」などのように使われます。
「一翼を担う」の「一翼」は、「1つのつばさ」や「一羽の鳥」を意味する言葉ですが、「全体の中での役割などの一端」「1つの任務」という意味合いもあります。
「一端を担う」との意味の違いは、特にありません。ただ、「一翼を担う」の表現は、基本的に良い意味合いで使われる点が特徴となっています。そのため、意図してポジティブなニュアンスを持たせる場合は、「一翼を担う」の方が適していると言えます。
「一端を担う」とは
「一端を担う(いったんをになう)」とは、「ある物事について、部分的に関与している」という意味の言葉です。仕事や作業などにおいて、その責任や役目の一部を負っていることを言います。「Bさんは町おこし運動の一端を担う重要な存在だ」「彼女は一貫してグループを支える活動の一端を担ってきた」などのように使われます。
「一端を担う」の「一端」は、「一方のはし」を意味する言葉ですが、この場合は「一部分」の意味になります。
「一端を担う」と「一翼を担う」は、上で述べたように、大まかな意味において違いはありません。ただ、「一翼を担う」が主にポジティブな意味合いで使われる表現であるのに対し、「一端を担う」は必ずしもそうではない点で使い分けることもできます。
たとえば「詐欺行為」などの語に関しては、どちらかというと、「一翼を担う」より「一端を担う」の方が適していると言えます。
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